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ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」をより楽しむことを目指しています。写真の合成加工作品も掲載。

マイク・リーという監督

マイク・リーはイギリスの監督。
即興理論で映画を撮ることで有名で、欧州の映画祭では数多く賞を受賞してます。
しかし、アカデミー賞では結構ノミネートされているんですが、一度もオスカーを獲ったことがありません。
欧州では数々の賞を受賞しているから、ハリウッドは抵抗感があるんですかねー。
同じく、マイク・リーの作品に出演した俳優や女優もカンヌやヴェネチアなどで賞を獲ることが多いのに、アカデミー賞でオスカーどころかノミネートすらないですね。

マイク・リーは脚本を用いず、徹底的に俳優には役になりきらせる監督。
長い時間をかけ、役の内面までも俳優たちと一緒に考え作り上げていく手法だそうです。

◇「秘密と嘘」◇

アメリカでも「メソッド法」を取り入れて演技をする俳優は多いですけど、まずは脚本ありきですし、出演者全員がメソッド法で演じるわけではないので、作品としてはマイク・リーと同様というわけではありません。

そして近年は、俳優に考えさせない監督が増えているそうです。
つまり、どう演じるか、どう振舞うかを監督が俳優に細かく指示するケースです。
それと作品そのものを俳優のイメージ有りきで作るケース。
たとえば「どんな映画に出てもトム・クルーズはトム・クルーズだ」と感じるはずです。
知名度がすこぶる高いハリウッド俳優は、まぁ仕方ないですけどね。


◇「秘密と嘘」◇

即興で演じさせるのは俳優や女優を信頼していないとできないことですし、役者にとって即興で演技するというのは、かなりの集中力が必要だということです。
映画「秘密と嘘」の場合、登場人物が初めて顔を合わせるシーンは、本当に役者自身もその時に初めて顔を合わせるという徹底振り。

主人公が10代で出産し一目も見ぬまま里子に出した娘と駅で待ち合わせ、顔を合わせるシーンがあるんですが、二人はお互いに誰が相手の役者なのか知らされてなかったそうです。
ですから、駅の前で相手を待つシーンなんかはリアルなんですね。
本番の撮影中にお互いに相手役を知ったんだそうです。


◇人生は、時々晴れ◇

とかく日本人は外国に夢見がちですが、映画「人生は、時々晴れ」などを見ると、狭々した団地に体の大きな娘、息子と住む4人家族の姿などは、夢ぶち壊されます(苦笑)
日本の家は「ウサギ小屋」と卑下しますが、何の何の、イギリスだって同じ。
そういうのをあえて描き出してるんですね。

マイク・リーの作品によく出てるティモシー・スポールは、役になりきるためのリサーチもちゃんとやる方で、トム・クルーズと共演した「ラスト・サムライ」でも日本の幕末~明治時代などを勉強したそうですよ。
今やハリウッド映画に引っ張りだこですね、彼は。
それこそ、彼のような俳優はアメリカにはいませんから。


◇ヴェラ・ドレイク◇

さて、即興で撮影した映画ですが、アメリカ映画にまったくないわけではありません。
ジョナサン・デミ監督作でアン・ハサウェイが出演し、それでアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた「レイチェルの結婚」が即興ですね。
カメラも意図的に素人が家庭用のビデオカメラで撮影したかのように、見切れてるように撮っているので、ユニークではありました。
ただ、やはりアン・ハサウェイ自身にあるイメージが邪魔だったですね。
「アン・ハサウェイ、頑張って演技してるな」という風に思えてしまったのは確かです。

マイク・リーは脇役としてやり続けてきた俳優や女優を起用することで、そういった俳優たち自身のイメージが薄く、役に邪魔にならないというところがポイント。
「ヴェラ・ドレイク」で主演したイメルダ・スタウントンなんかは、世話好きの普通のオバちゃんっぷり。
そして、あることから彼女の人生や生活が崩れていくのです。その姿はまるで自分の母親を見ているようで辛くなるくらい。

このように、マイク・リーの作品は登場人物に共感するというよりは、自分の中にある苦悩や痛みを刺激される場合があります。
映画と鑑賞者の距離がないんでしょうね。

今やハリウッドはアメコミの実写ばかりがゾロゾロ・・・。正義と悪の戦いというわかりやすさと、現実離れの度派手な映像。
そういった映画の対極にあるようなのが、マイク・リーの監督作品です。
ハリウッドのアカデミー会員は、なるべく触れたくない監督なんでしょうかね?(苦笑)



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映画ネタ――女装した俳優たち

昨年、「博士と彼女のセオリー」でオスカーを獲ったエディ・レッドメインの新作「リリィのすべて」は、世界で初めて女性になった男性を描いてる作品。
エディが女装したお姿は、


この映画にちなみ、今回は”女装した俳優たち”をピックアップします。
結構美人さんが多いんですよー。

以前は、男性が女装・・・って言うとコメディタッチが多かったです。
役どころでは仕方なく女装した男性。
女性の仕草を真似てる姿で笑いを取るって感じだったんだと思います。
まず有名なのは「お熱いのがお好き」(1959年/米)
トニー・カーティスとジャック・レモンが女装しています。


次は、ダスティン・ホフマンの「トッツィー」(1982年/米)
肩幅がない方なので似合ってますね(苦笑)


次は単なる女装ではなく、ドラッグ・クイーン。
仕方なく女装・・・ではなく、ひとつの自分の生き方というか方向性としての女装。
このドラッグ・クイーンのパターンは案外多いですよ。

◇「プリシラ」(1994年/豪)◇
名優テレンス・スタンプ、そしてガイ・ピアース、ヒューゴ・ウィーヴィング(マトリックスでエージェントやってた方です)がドラッグ・クイーンを演じてます。
テレンス・スタンプは品の良いオバちゃんのようで、なかなか素敵ですよ。


◇「3人のエンジェル」(1995年/米)◇
故パトリック・スウェイジとウェズリー・スナイプス。
女装が最も綺麗とかでパトリック・スウェイジがアンケートの一位になったようですが、彼はダンサーでもあったので仕草や表情が綺麗です。


◇「フローレス」(1999年/米)◇
故フィリップ・シーモア・ホフマンがドラッグ・クイーンのラスティを演じ、ロバート・デ・ニーロと共演してます。
デ・ニーロさんが演じる男性は同性愛者が大嫌いなんですが、病気で倒れ半身麻痺となってしまい、ラスティの協力でリハビリを始めていく・・・という筋立て。


◇「キンキー・ブーツ」(2005年/英=米)◇
アカデミー賞作品「それでも夜は明ける」で主演した英国俳優のキウェテル・イジョフォー。


続いて、ドラッグ・クイーンではなく、同性愛者や性同一性障害というパターンです。
この場合はシリアスなドラマが多いですね。

◇「プルートで朝食を」(2005年/英=アイルランド)◇
キリアン・マーフィーが演じるキトゥンは、瞼の母を求めてアイルランドからイギリスへと渡るのですが、色んな人に出会い、色んなことが身に起こる。
映画は軽いタッチで描かれてます。
瞳が美しいですねー。


◇「バッド・エデュケーション」(2004年/スペイン)◇
メキシコの俳優ガエル・ガルシア・ベルナル。
この作品の彼を見た時、本当に美しいと思いました。
彼が女装したシーンは、映画の中で映画を撮影してるシーンでのことです。


◇「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」(2001年/米)◇
ジョン・キャメロン・ミッチェル原作・脚本・監督・主演。
彼自身ゲイであると公言してます。


◇「ダラス・バイヤーズクラブ」(2013年/米)◇
アカデミー賞の主演男優賞、助演男優賞をW受賞した作品で、そのオスカーを獲ったジャレット・レト。
マシュー・マコノヒー共々、かなりの減量をして挑んだ力作。

このジャレット・レトはカメレオン俳優と呼んでもいいぐらい、役柄によって全然違う人に見える珍しい俳優さんです。
ロバート・デ・ニーロもカメレオン俳優と呼ばれてましたが、それでも”デ・ニーロ”は消えてないんですよ。でも、ジャレットの場合はそれが彼だとパッと見てわからないほど。
ちなみに、「CANDY」という雑誌の表紙。

この方、ジャレット・レトです。レディ・ガガっぽい姿の写真も掲載されてますよ。

◇「Rage」(2009年/英=米)◇
ジュード・ロウが女装したと話題になりましたが、日本では公開もせず、DVDスルーすらしてないんじゃなかったかな・・・?
んん~、女装と言うよりは、V系っぽい感じが(苦笑)
欧州のV系バンドで、こういう感じの方々多いですよ。



最後!おまけ♪
「バードケージ」(1996年/米)
この映画は仏映画「Mr.レディMr.マダム」のリメイク。
映画の終盤、名優ジーン・ハックマンがなんと女装。
なんで女装してるの?の理由は、映画をご覧ください。


他、有名なのは「ミセス・ダウト」の故ロビン・ウィリアムズもそうですね。
まだまだいると思いますが、今回はこの辺でemoji








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映画「人生はノー・リターン 〜僕とオカン、涙の3000マイル〜」

「人生はノー・リターン 〜僕とオカン、涙の3000マイル〜」

2012年製作 アメリカ
監督は「あなたは私の婿になる」のアン・フレッチャー。
お久しぶりのバーブラ・ストライサンド、そしてセス・ローゲンが出演し、二人は製作総指揮にも参加してます。
日本は未公開(DVDスルー)

この作品は脚本のダン・フォーゲルマン自身が、彼の母親とニュージャージーからラスベガスまで旅をした実体験が基になってるそうです。

あらすじは、
アンディは環境にやさしい洗剤を開発し、それを自ら大手スーパーなどに売り込みをしてた。
一旦母親が住んでいるニュージャージーに戻り、そこから車でアメリカ横断をしながら売り込みの旅に出る計画だった。
実家に戻ったアンディは、母親ジョイスから自分の名前”アンディ”は元彼の名前から取ってつけたと聞かされる。
衝撃を受けつつ、アンディはついその元彼のことを調べてしまい、母親を再会させようとし、一緒に旅に出ようとジョイスを誘ってしまった。

この作品はアメリカではすこぶる評価が悪いんですよ(苦笑)
それでなのか日本では未公開だったんですけど、私は結構好きですよ、この映画。

子離れしてない母親と、それを「うぜぇ~」と思ってる息子。
私にも息子がいるからわかるんですけど、母親と大人になった息子のそういう関係ってのは「あるある~」って感じで共感しまくり。
アメリカもやっぱ同じなんだなぁ~と。

「水は体にいいのよ!ちゃんと飲みなさい!」とジョイスは息子に言いながら、ペットボトルの水を飲ませるんですが、そのペットボトルの中身は普通の水道水だったり。
「こういう母ちゃんいるよねー」っていう母親っぷりがリアルで苦笑しちゃうというか。
こういった「あるある~」と言いたくなる母と息子の姿がどんどん描き出されていくんですよ。
ジョイスは”お母さん”というよりも、まさに”オカン”なんですね。
なので、邦題の副題は上手いなぁと思います。


この作品でバーブラさんはラジー賞のワースト主演女優賞にノミネートされちゃったんですけど、それだけ”オカン”って感じが強烈です。
私は母親なので、ジョイスの気持ちもわかるんですよ。
一方、この映画は男性が見たら自分の母親を思い出したりしてね。
「うちの母ちゃんもこんなんだわ(笑)」とかね。

まぁ、もういっぱしの大人になった息子が母親と二人きりで車で旅をするって、案外ユニークかもしれないですね。
終盤は心温かになれる映画です。
EDクレジットに入る前、ホロリときました(っつーか、泣いてしまいました)

子離れって、思った以上に大変だよ。



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