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最終章#2「A Knight of the Seven Kingdoms」を解説してみる@ゲーム・オブ・スローンズ

ネタバレです。
最終章未見の方は注意。

放送後にエピソードタイトルが公表されます。
第二話は「A Knight of the Seven Kingdoms」(七王国の騎士)



今回のエピソードをご覧になって気づいたと思いますが、完全にウィンターフェル内で終始しました。
過去シーズンは視点があちこち飛んでいましたから、そういう意味でも、長らくバラバラだったものがひとつの場所に集ったのだと実感します。

そして最終章第二話は、「生死の狭間にある時間」と「デナーリスの孤立」というものが描かれていたように思います。

「死」と向き合っている人々


夜の王は「死」をもたらす死神です。
いよいよその「死」を拒絶し「生」のために戦うことになる前夜。
生き残れるかどうかは誰にもわからない。

死と向き合った時、「悔い」というのもが一番の苦痛になると思います。
それが如実に描かれていた人物は、ジェイミーではないでしょうか。
彼は「王殺し(キングスレイヤー)」と呼ばれ、「名誉なき男」とキャトリンにも言われた。

そんなジェイミーに「名誉」を見出したのはブライエニーです。



今回のエピソードと第一章第一話でのジェイミーの違いは誰もが感じるところですけど、根本的なところは変わっていません。
ブランとの会話に於いても浮き彫りにしていました。
「愛のためにやったこと」
ジェイミーがにウィンターフェルに一人で来たのも「愛のため」だと、私は思いました。

ブライエニーとは「男女の愛」ということではなく、尊敬や信頼に近い「愛」でしょうかね?
騎士として、本来成さねばならないことをブライエニーは気づかせてくれたんだと思います。それがブライエニーへの騎士任命に繋がっていたんじゃないかな?

もしもこの戦いで死ぬなら、「七王国の騎士」として死なせてやる・・・私はブライエニーに対するジェイミーの最も素晴らしい愛情表現だと思いました。

私は「ブライエニーとポドリックに死亡フラグ立ったのかなぁ~?」という複雑な気分にもなっちゃいましたが・・・。

デナーリスの孤立


ウィンターフェルでデナーリスは浮きまくっています。
北部で白っぽい衣装を着てるのは、そういう意図があるからでしょうかね?

過去シーズン、デナーリスは幾度も「征服者」と呼ばれていました。

彼女はドラゴン、穢れなき軍団、ドスラク人を率いて征服することは可能でしょうが、統治するには遠い道のりであることを示しています。
北部で浮いてるのがその証拠。

ウェスタロスのことを何もわかっていない。
北部のことも知らない・・・サンサからズバリ指摘されました。
そこに住む人たちのことも知らず、どうやって統治できるのか?ということでしょう。



ミーリーン等では奴隷を解放し、親方たちを押えつけました。
しかし、奴隷制度がまったくないウェスタロス。特に北部の場合、貴族は民を守ることも重要な役目です。
長年スターク家は北部の人々が安心して暮らせるよう務めてきました。
力と恐怖で民を従わせることではありません。

デナーリスは戦いに来ている。
サンサは守ろうとしている。
この違いが二人の会話シーンにて表現されていたように思えます。

ジョンの出生の真実も聞かされたデナーリス。
鉄の玉座に就く権利を主張し、そのための努力をしてきた彼女は、今後どうするのか?という状況となります。

サンサとの距離が縮まったかのように見せ、まったく縮まってなかった・・・という展開の仕方が上手いですね。

穢れなき軍団もドスラク人もウェスタロスではよそ者。
彼ら自身もここが居場所だとは思っていないでしょう。
肌の色が違ってることで妙な目で見られてしまう。グレイワームとミッサンデイはそれを痛感し、「行きたい場所へ行く」という話をしたのかな?と思います。

七王国の「羊」に対して「ドラゴン」はどうする?








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最終章 #2@ゲーム・オブ・スローンズ

字幕は「世界同時放送用」だって~。
そうなのかぁ~。だから変なのね。
それにしても「お前」呼ばわり多すぎだって。誰が字幕やってんのかしらね?

では、ネタバレですので未見の方は注意。



どうも今回のエピソード、事前に漏れちゃってたみたいですよ。
ドイツのAmazonプライムでの放送で、第一話の後に第二話まで見られる状態になってたらしいです。それでSNSなどでネタバレが拡散されてたらしい。

まったく、何やってんだか。

さて、今回の驚きはアリア~~~~~~!

第二話の中心は、死の軍団がウィンターフェルに近づいてる状況下、人生最後の夜になるかもしれないキャラクターの様子です。
もしかすると、生きている状態で目にするのは最後になるキャラクターも含まれているでしょう。
嵐の前の静けさの中、何気ない会話が大事に思えるエピソードです。
最後の夜になるかもしれない人々の描写と重なるポドリックの上手な歌が効果的でしたね。その歌もラミンさんの作曲だそうです。

このオフィシャル動画、絶対に見て!
私は泣いた。


エピソードの冒頭はデナーリスvsジェイミー。
彼女の父親を殺した男が目の前に現れました。
しかも、ジェイミーが一人だけでやって来た。
「軍の姿がないけど、どういうことよ」とデナーリスは問い詰めます。

ジェイミーはサーセイが協力すると言ったのは嘘だったことを話し、デナーリスの怒りはティリオンにも向けられた。
「あなたがやることなすこと、すべてダメじゃん」
デナーリスもサンサもジェイミーに対して懐疑的でしたが、そこへブライエニーが間に入り、ジェイミーは信用できると訴えました。

サンサはブライエニーを信用してますので、彼女の言葉を信じました。
シオンと共に逃げたサンサをボルトンの兵から守ったのがブライエニー。あの場所に行けたのは、ジェイミーのお陰だということを伝えたわけです。

サンサはジェイミーへの警戒を解きました。
しかしデナーリスは納得できていません。

そこでデナーリスはサンサに会って話をします。
サンサは依然としてデナーリスがジョンをコントロールしているんじゃないかと信用していませんでしたが、「私の目的は鉄の玉座であり、ジョンをコントロールしてるなら、わざわざ北部へは来ない」という言葉にサンサは納得。
しかし、サンサは「奪われた此処を私たちは奪い返し、二度と誰かに屈しないと誓った」という話をし、「あなたは北部の何を知ってんの?」とデナーリスを問い詰めます。

前回「ボタンの掛け違い」という風に私は表現したのですが、そのズレは解消されませんでした。むしろズレが大きくなったようです。
サンサは権力を握ろうとする者が裏切ることや、権力者が暴君化することを知っています。ですからデナーリスに対し、その危険性があるということを拭い去れないのでしょう。



そんな時、シオンが幾人かの鉄の兵を伴ってウィンターフェルに到着。
サンサとシオンの再会シーンは、視聴者に二人がラムジーから散々虐げられ、逃げ出すまでの苦難の道のりを思い出させるものです。

ブランとも再会したシオンは、ウィンターフェルを奪ったことを詫び、今度はブランを守ると告げます。

そして、今回のエピソードはとにかく「ジェイミーとブライエニー」
ジェイミーは、かつてブライエニーと一緒に王都へ向かっていた時のように、悪態をついたり皮肉を言うことがありません。
むしろ、自分はもう戦闘力が乏しくなってると認め、ブライエニーの傍で一緒に戦わせてくれと頼みます。
悪態をつくジェイミーばかり見てきたブライエニーは、そんな素直で実直な彼に戸惑います。

私が一番好きだったシーンは、ジェイミーがブライエニーを騎士として任命するところ。

嗚呼、この二人はやっぱり特別♪
男女関係の愛とかそういうのを越えてる気がする。
互いにリスペクトし、尊重し合うって素敵emoji

トアマンドがブライエニーに「何で騎士じゃないのか」と尋ね、「女は騎士にはなれない」って言ったブライエニーに対し、ジェイミーが「騎士である俺は任命できる」と言った瞬間からの流れ。
本当に良いシーンでしたemoji
心なしか、ブライエニーの目はうるんでたような気がします。
トアマンドが騎士になったブライエニーに拍手。

もうこのシーンだけで私は大満足ですemoji

ウィンターフェルでは死の軍団との戦いの準備が着々と進んでいます。

やはり、リアナ・モーモントとジョラー、従兄妹同士の会話シーンが入りました。
ジョラーはリアナちゃんが子供だから彼女が戦うことを危惧してましたが、リアナちゃんも戦うんですね。
彼女の母親も戦士でした。

ジョラーのところにサムが剣を持ってやってきました。そして、ターリー家で代々受け継がれてきたヴァリリア鋼の剣をジョラーに託します。
第七章が放送される前、知識の城にてそのシーンがあるんじゃないか?と予想されていました。第七章ではなく最終章ではありますが、その予想はビンゴでした。

終盤は、地下墓所でリアナの墓前にいたジョン。
そこへデナーリスが来ました。
彼女の兄レイガーがリアナを連れ去って・・・という話は、デナーリスも聞かされていたようですね。

ジョンはレイガーとリアナは愛し合って、秘密裏に結婚し、二人の間には子供が産まれたという話をします。
その子供はネッド・スタークが引き取り、ロバート・バラシオンから守るため、自分の落し子として育てたという話もデナーリスにしました。

デナーリス「!」
ジョン  「俺の本当の名前はエイゴン・ターガリエンだ」
デナーリス「!!マジで?誰がそう言ったの?」
ジョン  「弟が見たらしい」
デナーリス「見た??」
ジョン  「サムも知識の城にあった本で確認した」
デナーリス「ターガリエン家最後の嫡男ってこと?」

ジョン・・・自分がターガリエンと知っても、思いの外、特に葛藤はなかったようです(苦笑)
その件について、まだサンサは知らないみたいですね。

そして、放送前に予想されていましたが、ミッサンデイがデナーリスの元から去るのではないか?ということが「ビンゴ」になりそう。
グレイワームは生き残るかはわかりませんが、いずれにせよミッサンデイは自分の出身地に戻るかもしれません。
グレイワーム自身が行きたい所に行くことを望んでるっぽいので、彼がもし命を落としたとしても、ミッサンデイは彼の魂と共にナースへ戻るのかも。

いよいよ、死の軍団がウィンターフェルに到着します。


■関連記事■
最終章#2「A Knight of the Seven Kingdoms」を解説してみる



第三話の予告。


第三話は死の軍団とのバトルだけが描かれると思います(ゴーストまだぁ?)
何人か、次のエピソードでお別れしてしまうキャラクターもいることでしょう。
切ないですね。
来週の29日は運良く休日です。
放送時間も約一時間半と長くなりますので、トイレは済ましておきましょう。








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【解説】最終章#1なぜ北部ではもめてるのか?@ゲーム・オブ・スローンズ

最終章第一話は、思っていた通りの問題が生じ始めましたね。
以下は最終章のネタバレを含んでいます。未見の方は注意。



「サンサひとりで嫌みったらしくなってる」と勘違いしてる方もいると思いますので、ここで改めて過去シーズンに於ける「北部」に関することを振り返ります。

第一章は北部の混乱が生じた


ご存知の通り、キャトリンがティリオンを捕らえたことがキッカケです。
それによりジェイミーはエダードを襲いました。その報せは北部にも伝わり、シオンはロブに「戦争だ」と煽ったことを覚えているでしょう。

その時ロブは「家の問題」であるからシオンに口を出すなと言いました。
しかし、エダードが謀反者として捕らえられたことによって一転。ロブは北部の諸侯たちに召集をかけ、ラニスターを相手に戦いを開始しました。
これはスターク家だけの問題ではなく、北部の問題となったわけです。

ロブは拘束されている父、妹たちの解放を目指して南下していきますが、エダードは処刑されてしまった。
それがキッカケで北部の諸侯たちも本格的に立ち上がった。
ロブを「北の王」と宣言。
それは、どこからも支配されない独立国家としての北部だと、自ら宣言したことになります。

第二章以降、北部は不安定となった


そのキッカケを作ったのはシオン・グレイジョイ。
シオンは父親の名誉、自分の力を誇示したいがためにウィンターフェルを襲いました。それはロブの立場を陥れることになり、ロブは自分の拠点・城を失った「王」となってしまいました。
「北の王」とは名ばかりになり、軍は徐々に求心力を失っていきます。

やがてウィンターフェルは焼かれ、ブランとリコンはそこを出て、北の壁に向かって旅を始める・・・という流れ。

ドラマでは具体的に描いてはいませんでしたが、グレイジョイの兵士らは北部のあちこちを襲い掛かりました。
鉄の兵たちは北部を混乱に陥れたんです。

その鉄の兵を追い払ったのは、ルース・ボルトンです。
しかしそれも北部の平和には繋がらなかった。
グラヴァー公はボルトンのお陰で鉄の兵を追い払えたと言っていましたが、北部総督がボルトンになったことで、以前のような北部を取り戻したとは言い難かったのです。

そのボルトンと戦おうとしてたのはスタニス・バラシオン。
「真の王である」と主張していたスタニスがボルトンと戦って勝ったとしても、スタニスは南部の人間です。
北部総督にはなれません。
ジョン・スノウはサンサ、アリア、ブラン、リコンの居場所を知りません。
肝心のスタークはバラバラなままでした。

第六章でウィンターフェル奪回~北部の確立


野人や谷間の兵も加わりましたが、ウィンターフェルの奪回に成功します。
それ自体がスタークによる「北部の奪回」なのです。
土台が不安定なまま、ジョンとサンサはボルトンに戦いを挑んだわけですが、「自分たちの手で取り戻した」という意識は強い。

しかも、サンサは政治的な観点で物事を見ることができるよう成長しました。

そして、北部をひとつにまとめるため、ジョンは「北の王」と宣言され、ロブの時と同様に独立国家としての北部の確立を望んだ格好。
北部にとって落し子であるトメンから支配されるより、スタークの血が流れているジョンを王にすることの方が納得できるでしょう。

ジョンは死の軍団と戦った経験があるため「脅威との戦い」に主点を置いています。一方のサンサは、「戦争は政治的外交手段」という見方をしてます。
この食い違いが第七章で描かれました。

民が望むのは何?
それは平安です。
安心して暮らせることです。
けれども現在の北部は、北と南からの脅威に挟まれてる状態。
ジョンは北からの脅威にしか対策をしていません。しかも南からデナーリスを引き連れて来ました。

デナーリスの戦力を借りるため、ジョンは「独立国家」としての北部を放棄したのです。ジョンは死の軍団に勝って生き延びるためには、「王だの独立国家だの言っていられない」という考え。

一方のサンサはスターク家が代々行ってきた「北部を守る」という役目を自覚し、サーセイの脅威も心配していたところです。

北部の諸侯からジョンは所謂「北部」のアイコンとみなされたと思います。北部は長らく正義と指導力のある中心的人物が欠落していました。
ですから、ジョンが落し子であろうと「北の王」と宣言されたのは、「力強い北部」を望んでいることの象徴だったのでは?と思います。

サンサはそれを理解しています。
だからこそ、自らデナーリスに忠誠を捧げ「北の王」を返上し「北部総督」となったジョンに戸惑っているのです。

サンサが食糧の問題を投げかけたのも、デナーリスへの嫌味ではなく、民のこと考えなければならないことを主張したのです。
デナーリスは北部を知りません。
ティリオンがかつて、ミッサンデイとグレイワームに「スタークはエールに落ちたハエに”エールを吐き出せ”と言った」というジョークを話していましたが、ハエが飲み込んだエールも無駄にできないほど、寒く暗い北部では食糧確保が困難です。

デナーリスは奴隷を解放し統治した経緯があります。
しかし北部の民は奴隷ではありません。

北部は自分たちで宣言した「北の王」を2人失いました。
またも結束力が低下しそうな状況の中、死の軍団との戦いが待っています。
それをどう建て直し、南北の脅威に立ち向かうかが終盤まで描かれるかもしれません。

「サンサって嫌味な女」という風な意見を見ることがあるんですけど、彼女はもう「夢見る夢子さん」ではなくなりました。
お花畑で蝶と戯れるお嬢様ではないのです。

過去シーズンこのような背景もあったなぁ~ということを意識して見ると、また違った認識になると思います。


◆余談◆
最終章の放送前、キャラクターの画像が公開されました。
その時「ジェイミーの着ている甲冑は北部のものっぽい」と思っていましたが、ロブが着ていたのと同じですね。








★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜★