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第七章#7(最終話)を解説してみる@ゲーム・オブ・スローンズ

ネタバレです。第七章未見の方は注意。



第七章最終話のエピソードタイトルは「竜と狼」
そのタイトルを指すシーンは、最終話の終盤に集約されていました。
ジョンの本当の両親、ジョン自身の中に流れる血、そしてジョンとデナーリスの関係。
先日、当ブログでも触れましたが、過去シーズンで旗印がタイトルに用いられたケースは、両家の諍いを示唆していました。

ジョンとデナーリスの関係はトラブルのはじまり

今回も第八章に向け、同様な揉めごとに発展する可能性が垣間見られました。
まず、ドラマ上で気になったのは、船の廊下でジョンがデナーリスの部屋に入っていく様子を見ていたティリオンの不穏さではないでしょうか。


「ティリオンはデナーリスに惚れていて、嫉妬してるんじゃないか?」という風に捉える人が割と多くいるようですけどね。
デナーリスとジョンが結ばれたことに歓喜しているファンに「喜んでる場合じゃない」と釘を刺してるような描写となりましたが。

今シーズン、ティリオンはデナーリスに「衝動で行動している」と苦言を呈しました。
そしてティリオンは、イーストウォッチへドラゴンを引き連れて向かおうとしていたデナーリスを必死に止めようとしていました。
デナーリスがイーストウォッチへ向かったのは、ジョンを助けたい気持からです。
その気持ちによって、女王の手である相談役のティリオンの意見を取り合わなかった。その結果、ドラゴンを一頭失うことになった。

自分の感情を行動理由にする彼女に、ティリオンは不安を抱いているのかもしれません。
彼はあくまでも政治的な観点で取り組んでいますが、感情を優先させてしまうデナーリスは狂王と同じだと危惧しているのだと思います。
そもそも、「ゲーム・オブ・スローンズ」でのロマンスは悲劇的に終っているケースばかり。ジョンとデナーリスも例外ではないでしょう。

デナーリスは長きに渡って何のために動いてきたか?を考えると、すべては「鉄の玉座」のためでした。よりよい統治者になるため、アスタポア、ユンカイ、ミーリーンにて奴隷を解放し、自分の理念を貫こうとしてきました。
それなのに、ターガリエン家として鉄の玉座の正当な後継者は長男レイガーの息子ジョンであると知ったら、デナーリスは「わー♪ジョンが王よ♪」と喜ぶでしょうか?
否、「ここまで色々頑張ってきたのは私が女王になるためなのよ!」と感情的になって、憤ることは必至です。

加えて、ジョンの個人レベルでも葛藤が生じることとなる。
今回の最終話、ジョンとシオンの会話を思い出して欲しいのですが、シオンは「グレイジョイかスタークか選択できなかった」と話し、ジョンは「選択する必要はない。お前はグレイジョイでありスタークだ」という会話。
これは最終章、ジョン自身が抱え込む葛藤への伏線かもしれません。

サンサはいつリトルフィンガーの思惑に気づいた?



サンサがジョンから手紙を受け取ったという場面からのシークエンス。
リトルフィンガーとサンサは、ジョンの話からアリアの話に移りました。
サンサは相変わらずアリアを危険視しています。
そこでリトルフィンガーは、相手の目的の裏にある動機に関し、自分にとって最悪な結果を予測する話をしました。

リトルフィンガーはアリアがサンサを陥れることを目的にしてると予測させ、結果的には命を狙っているというところまで誘導しましたね。
サンサ     「(アリアは)私を殺す」
リトルフィンガー「何のために?」
サンサ     「自分が城主になるため」

これらの誘導により、手紙の件も含めサンサは気づきましたね。
アリアがサンサを殺害した場合、手紙は殺害を正当化する理由になるとサンサは予想しましたが・・・・そこで、第六話でのアリアとサンサの会話。
アリアは「姉さんに成り切ることができる。そのために必要なのは顔だけ」と話していました。つまり、アリアはサンサを殺害したとしても、手紙を使って正当化する必要はないのです。
アリアに必要なのは顔だけ。

ならば、手紙は誰が必要だったのか?
それはリトルフィンガー。

アリアは第六話でサンサに短剣を渡したのは、サンサの出した結論に協力するということを暗に示していました。
それでサンサはアリアを大広間に呼んだ。
アリアは念を押して「本当にいいの?」と問い、サンサは「家族と北部のため」と答えリトルフィンガーを裁いたわけですね。

アリアは第一章の流れと重なっていた

アリアが中庭を眺めているシーン。
当ブログで「アリアはマイカーの件を忘れていない」と書きました。
第一章では、アリアとジョフリーのゴタゴタによってマイカーは殺され、サンサの大狼レディが殺されてしまい、王都に着いた二人はそれぞれが憤りを抱えていました。
サンサはレディを殺した父エダードに反発。
アリアは真実を語らなかったサンサにムカついていた。

当時は二人とも子供でしたから、感情をあらわにしながら怒っていた。
エダードはそんな二人に頭を抱え込んでしまった・・・という流れでしたね。
第一章では、エダードがアリアの部屋に来て、ニードルを持っているアリアに対し「姉さんを刺すのか?」と言いながら話をしました。


そして、エダードは「冬来たる」と言い、家族が共に力を合わせていく重要性をアリアに説いていました。アリアはサンサに腹を立ててはいましたが「姉さんを嫌いなわけじゃない」と父に答えた。
アリアはそれも忘れてはいなかったということ。

恐らく、第一章の頃の二人と今回の二人は微妙に重なっていたのだと思います。成長した二人は表に出してはいませんでしたが、それが緊張感を生み出した。


二人は父エダードが常に言っていた言葉を言い合います。
この描写は第六章の最終話、ジョンとサンサの場面と同じということが重要でしょう。


この時の二人も、父エダードが言っていた言葉を思い出していました。
スターク家はエダードが亡き後でさえ、エダードが彼らを繋ぎ止め、力を合わせようと導いている描写だと思います。
サンサとジョン、サンサとアリアという組み合わせは、現在のスターク家にとって大事な絆を取り戻すために乗り越えなくてはならない葛藤だったのかもしれません。

名誉に生きたエダードの偉大さは、スターク家の再起をもたらしました。






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