第七章#6を解説してみる@ゲーム・オブ・スローンズ
第七章は「パンくず拾い」の側面があります。その「パンくず拾い」は過去からの連動している部分、伏線回収の部分もありますが、今起きている出来事の背景への理由付けとして取り込んでいる部分もあるようです。
矢じりの山
第一話でハウンドは炎の中で矢じりの形をした山を見ました。そして今回、ハウンドは炎の中で見た山を見つけました。
その山は第六章で描かれていた、森の子らがホワイトウォーカー(夜の王?)を生み出した場所にも登場していました。
恐らく、森の子らがいた場所は矢じりの形をした山の反対側かもしれません。
ちなみに、その山はCGやデジタルアートではなく実在する山だそうです。
ジョンがデナーリスを「ダニー」と呼んだことの意味
デナーリスは「ダニー」とジョンから呼ばれ、「そう呼んでいた人がいたわ」と語りましたが、それは兄ヴィセーリスのことだと誰もが悟れたと思います。ヴィセーリスは溶かされた黄金を被って死んでしまいました。
今回、夜の王によって殺されたドラゴンは、そのヴィセーリスの名から付けたヴィセーリオンです。恐らく視聴者に死んだドラゴンはヴィセーリオンであると示したということでしょう。
その場面で、ジョンは次にデナーリスを「我が女王」と呼びました。
彼女に跪き忠誠を誓うということを暗に示したシーンです。
それと同時に、デナーリスとジョンの関係が親密になることを示すもので、そういう展開を望んでいたファンは歓喜、それを望んでいなかったファンは失望・・・という反応がネット上で溢れたシーンだったようです(苦笑)
一方で、このような意見も。
「ジョンはロブと同じ過ちを繰り返すことになるのでは?」
ロブは北部の諸侯たちの意見も無視し、ヴォランティス出身のタリサと結婚しました。それによって諸侯らはロブへの忠誠心が薄れ、北部軍に亀裂が生じました。
ジョンは「北部の諸侯たちも理解するだろう」と言っていましたが、真の戦いを目前に北部の団結が弱まってしまうことになり兼ねないと心配する声も。
アリアはマイカーの件を未だに根に持っているかもしれない
第一章で王の手として赴任する父エダードと共に、王都へ向かったサンサとアリア。その王都へ向かう途中、アリアはマイカーと剣の稽古をしていましたね。
その後の展開はご存知の通りです。
王ロバートは事情を聞くためにサンサを呼びましたが、彼女は「覚えていません」と答え、アリアが憤慨しました。
マイカーはジョフリーから剣を突きつけられ、アリアがそれを止めに入ったことをサンサは黙っていたからです。結果、マイカーは殺されてしまいました。
その時の怒りが残っていると思わせるのは、アリアが中庭を見下ろしているシーン。
気づいた方もいると思いますけど、そこには肉が下がっています。
マイカーは肉屋の息子でした。恐らくそれを思い出させるための肉であり、アリアが手紙のことでサンサを責めていたポイントは、「サンサの自己保身」という点でしょう。
サンサとアリアの会話がスリラー
サンサがアリアの部屋に入って物色し、妙な顔を発見した直後、アリアが部屋に入った時からの会話。多くの人たちは、そのシークエンスの意味がわからない上に恐ろしさを感じていますね。
まずは、どのような会話だったでしょう?
アリア「何してんの?」
サンサ「ウィンターフェルには私に忠実な者が数百人もいるのよ」
アリア「彼らは今ここにいないけどね」
サンサ「これらは何?」(顔のマスクを指す)
アリア「私の顔」
サンサ「どこで手に入れたの?」
アリア「ブレーヴォスで顔のない男になる訓練をしてたの」
サンサ「どういう意味?」
アリア「私が最初の顔を手に入れる前、”顔のゲーム”をしたの。簡単だよ。私が質問し、姉さんが嘘を真実のように語ればいい。私を騙せたら姉さんの勝ち。私が嘘を見抜いたら姉さんの負け。やろうよ」
サンサ「やりたくないわ」
アリア「ジョンが北の王だということをどう思う?彼の代わりに北部を支配すべき人がいると思ってる?」
サンサ「これらの顔は何なの?」
以下、長いので省略
サンサとアリアの会話が噛み合っていないことがわかると思います。
アリアがゴニョゴニョと語っている間、サンサはとにかく顔について不気味に思い、アリアを危険な人物として捉えました。
そしてアリアは「他者になり切れる。姉さん(サンサ)にもなれる」と半ば脅すように告げました。
「必要なのは、姉さんの顔だけ」と言いながら短剣を手にし、それをサンサに渡してアリアは去っていく~で、このシークエンスは終りましたね。
私個人の解釈としてですが、アリアは自分が何になったのかをサンサに明らかにし、「私を利用しなさい」ということを匂わせているように思えました。
サンサに今必要なのは、「信頼してない」と言いつつ依存しているリトルフィンガーから完全に離れることだろうと。
「彼のことは信用できない・・・だけど~」という、心の奥に横たわっている依存。
その依存はサンサの「自己保身」から生じていることで、アリアの一連の動きはサンサ自身が心の奥底で恐れていることと向き合うようにするためかも。
その上で出したサンサの答えに対し、アリアは協力するということかもしれません。
デナーリスは自分の子を産めないと信じてる
デナーリスはドラマの中でドラゴンを「私が持てる唯一の子」と何度か言っています。それはつまり、デナーリスはドロゴとの子”レイゴ”が死んだ後、妊娠できない身体になったということを指しています。しかし、根拠はドラマの中では見つかりません。
原作ですと、第一章で登場した女妖術師の「太陽が西からのぼり東に沈み 海が乾き 山が葉のように風で吹き飛ばされた時」と告げた後にも言葉が続いているそうですが、ドラマでは残りの部分が割愛されました。
その割愛された言葉は、死んだ子宮も生き返るという事柄だそうです。
女妖術師の言葉は「不可能である」という風なニュアンスで受け取られ、それでデナーリスは妊娠できる身体ではなくなったという解釈に繋がると言われてるんですけど、ドラマで割愛されている箇所が根拠ってのも不思議。
予言と言えば、サーセイが少女時代に魔女から言われた予言も、最後の部分は割愛されました。その割愛したのは、サーセイの死に関してです。
ドラマはなぜそれらを割愛したのかは、今のところ不明。
最後は、北でのバトルシーンのメイキングをどうぞ。
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