デススト:考察と「どんなゲームなの?」と思ってる方へ
確かに、プレーの序盤ではチュートリアルが盛り込まれてますし、ゲームの方向性はわかるようにはなってます。
ゲームの序盤
基本的に徒歩です。
ポート・ノットから離れるまで国道はありません。
いたるところに川が流れ、山が連なってます。ですから、そこをどう克服しながら配達するか?を経験していくことになります。
ハシゴを使う、ロープを使う・・・という場面が多い。
そして配達途中には、ミュールのいる区域、BTが出てくる区域を通らなければならない状況が多い。回避することは困難です。
ゲーム序盤ですから、使用武器は最低限のもの。
メインの「サム指名の依頼」だけを進める前提ならば、その区域を往復することはないです。ここで「指名なし依頼」も受注すると、割と困難な地域。
そして「サム指定の配達」だけをやると、シェルターにいるプレッパーズと出会うことなく、ポート・ノットから去るという状況になります。
正直に言うと、序盤で「つまらない」と思える人はレイク・ノットに渡った後、にわかに楽しく感じることはないでしょう。
配達することには変わりません。
いきなり国道が整っていて、どんどん進められる環境にはなってないです。
やはり基本、悪路を徒歩で配達していくことになります。しかし一方で、他プレーヤーが設置してくれているものも増えてきます。
特に橋なんかは有難く感じる。
中盤はとにかくカイラル通信網を拡大していく
目的はカイラル通信を繋げることです。配達はそのために行う。
シェルターにいるプレッパーズの中には、一度の配達でカイラル通信を繋ぐ許可やUCAに加盟してくれない人もいます。
ですから、何度かその人のための依頼を受けることとなります。
「サム指名の依頼」をどんどんやっていくと、配達地域が拡大していきます。
ここら辺で、国道復旧に取り掛かる方も増えてきます。
他プレーヤーが設置している施設も増えてきたり自分でも設置することができるので、ここまで粘れたのなら、ようやく楽しいと思えるようになるかもしれません。
トラックの使用も可能となりますし。
でもやはりこれは「配達する」というプレーをどう感じるか?です。それ自体を楽しめないのなら、単に苦痛でしかないです。
バトルはあるけど、大事なのは「荷物」
敵として、ミュール、テロリスト、BTが現れます。
それらに抵抗することが生じますが、戦うことはひとつの選択でしかありません。逃げるという選択をしても構わないのです。
何故なら、荷物を守るのが何よりも優先事項だからです。
荷物が落ちて衝撃を受ければ劣化にも繋がる。
「指名なし依頼」の配達時には、危険区域をあえて回避する選択も可能。
バトルをしたからとポイントが上がるわけでもありません。
派手に戦い敵を全員倒しても荷物を劣化させた場合、評価は低くなります。
しかもミュールやテロリストはセンサーで存在を知ってしまうので、完全なるステルスは厳しいです。
ミュールの場合は上手くやれば隠れてやり過ごすことはできますけどね。
ミュールは荷物だけを狙います。荷物のない状態ですと襲い掛かってはきません。
テロリストはサムを狙いますし、結構一気に襲い掛かってきます。
この時に応戦することになりますが、それはやはり配達するという任務を遂行するためです。
隙を見て逃げたって構わないんです。
ゲームの終盤
一気に「一本道」のゲームとなり、ストーリーを畳み込んでいきます。
様々な困難が生じますが、バトルとしては物足りない人はいるでしょうね。
長いムービーも挟み込まれているので、テンポは悪いです。
中盤で「指名なし依頼」をやってきた私は、唐突な展開という風に感じました。
そのため、ゲームの構成としてはバランスが悪いという印象。
「サム指名の依頼」のみでプレーしてきた場合そうでもないんでしょうけど、配達人グレードは高くならぬままクリアとなります。
ちなみに「指名なし依頼」をせず、プレッパーズ等との親密度を高くしないままでクリアし、ゲームを語ってる人の意見が全てではありませんよ。
哀しいかな、このゲームは短時間でクリアしたから凄いってことにはならんのですわ。一本道のストーリーを最後まで見たってだけ。
ゲーム自体はやる要素が沢山あります。
ゲームを毎日ぶっ続けで何時間もやれる人はわかりませんが、普通なら一週間程度では終わらないでしょうね。
考察
以下はネタバレです。
ゲームのストーリーは、映画の「ザ・ドア」「アナザ―・プラネット」を思い出させるものでした。
あと、私はなんとなく世界観はテレンス・マリック監督作の「ツリー・オブ・ライフ」に似てる気がしました。
テレンス・マリックは「哲学系なヤバい監督」とも呼ばれるくらい、気難しい人らしんですよ。小島さんみたいに出たがりじゃないです(苦笑)
インタビューも大嫌いだそうで。
※「デススト」のワンシーンに見えるでしょ?
これは「ツリー・オブ・ライフ」のシーンです。映ってる男性はショーン・ペン。
海岸を歩いている人たちは亡くなった人の魂。同じやんけ(苦笑)
その作品は何の説明もなく淡々と描写されていきます。
一回観ただけでは「???」で、理解できない作品。
映画は旧約聖書のヨブ記の一説から始まります。
神からすると「お前(ヨブ)は神(=宇宙)のことなど理解できてない。無知なのだ」と。
劇中は地球の誕生から人類の歴史、そして普通の家族の物語を重ね合わせて描いています。それ故、こんがらがる(苦笑)
「デススト」も似たような感じを目指してたのかも・・・という印象でした。
こちらは人類の滅亡、サムとクリフの物語として。
サムとクリフに関して
ムービーの中でクリフがBBの誕生日と言ってケーキのロウソクに火を点けた。ロウソクは6本あった。あの中にいたサムは6歳ということになりますねー。
だからビーチに流れ着いたサムは、一気にそのくらいの年齢の姿になったんじゃないかな?と思うんですけども。
そして、サムはクリフと同化してた部分があったんじゃないかと。
サムの妻と子供が死んだという記憶は、クリフの記憶。
ブリジットを挟んだスリーショットの写真。奥さんの顔は青かった。
あの写真は十数年前の写真だとするなら、ブリジットの容姿が若すぎる。
本当はあの写真ってクリフとリサとの写真で、後からサムに作り上げた記憶をすり込むため、加工したものかもしれない。
若しくは、クリフの想いがサムの記憶と重なっている暗喩かもしれない。
クリフはBBへの強い想いを遺したまま死んだので、所謂「浮かばれていない」という状態(成仏していない)
それで現世時に自分が常に身を置いてた戦場でBBを捜していたのかも。
最終的に、目の前にいるサムが自分の息子だとわかり、そこでようやくクリフは安堵して成仏できたのだと思います。
息子に伝えたかったことを伝えたクリフ。
クリフはBBを容器から出してその手で抱きしめた時に殺され、BBも絶命した。恐らくサムは父親に初めて触れた時に死んだことで接触拒否症となったんじゃないかと、勝手に解釈してみました。
だから、クリフが父親だとわかった後サムを抱きしめたことで、サムは他者と接触できるようになったと。
この物語は絶滅とか何とかの小難しい要素も入ってますが、サムとクリフだけを絞れば父子の愛の物語です。
「どこへでも行ける。月にだって行けるんだ」
このクリフとサム。
ビッグボスとファン…という関係で考えると、なぜかしっくりきます。
ブリジットは…あの会社???
小島プロダクションを投影してたルー
手の甲のドクロのタトゥー
あれは、クリフがBBに贈ったクリスマスプレゼントの宇宙飛行士でしょう。
小島プロダクションのマーク「ルーデンス」
だからサムは途中からBBを「ルー」と呼んだ。
当初は”物”として扱っていたBB。
途中でデッドマンが修復するためにBBを回収し、サムはBBなしで行動してました。その頃からサムは「ルー」と呼び始めた。
「ルー…あ、いないのか…」「俺を一人にしないでくれ」
サムにとってBBは”物”から”人間”になった。
小島さんが辿った一連の経緯を鑑みると、ファンと彼の今までを重ねてるような気がしないでもない。
ラスト、サムがルーを生き返らせようとします。
そしてルーは蘇りました。
サムはプレーヤーです。
このことから、プレーヤー(ファン)が小島さんを蘇らせ、今まさに始動した…ってことを表してたのでしょう。
デッドマンがBBに執着してるような素振りも、何か意味を込めていると思いますよ。小島さんとギルレモ・デル・トロさんの関係を示唆してたんでしょうかね?
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