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ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」をより楽しむことを目指しています。写真の合成加工作品も掲載。

MGSV:TPP ラストシーンの考察してみたゎ

ゲーム自体、途中までしかやってませんが、ラストシーンは動画で見ました。
アウターヘブン蜂起に繋がることはわかってますので、どういった終わり方なのかに興味がありました。
ラストシーンは確かに漠然としてますね。

ヴェノムは自分自身の本来の顔を鏡を通して見てる。
そしてテープでビッグボスのメッセージを聞く。
「お前がビッグボスだ」と言われ、ヴェノムは笑みを浮かべる。
そのテープを裏返して、オペレーション「N313」(ハッキリ数字は見えない)をカセットデッキに入れて再生する・・・やがて血塗れのヴェノムが現れ鏡を割る。
鏡の向こう側のヴェノムが静かに去っていく。
・・・という流れ。


アウターヘブン蜂起までの流れは?


まず私が不思議に思ったのは、ビッグボスのメッセージを聞く前、鏡でヴェノムの元の顔が描写されてた時です。
ヴェノムは特に戸惑った様子はありません。
本当の自分を思い出した直後には感じられない。

そのシーンの前、ゲーム冒頭にあった病院のシーンが再び登場しますが、冒頭と異なるのはヴェノムが最初に鏡で見せられた顔は本来の顔だったこと。
そして整形し、ビッグボスの顔になったところを見せられている時に襲われ始めた・・・ということになってました。
ゲーム冒頭と終わりの病院での描写の違いは何を意味しているのか。

テープのオセロットとゼロの会話に於いて、昏睡状態時にオセロットはヴェノムが”ファントム”として動ける準備をしているという風に語っていた。

終わりの病院での描写はそれらと矛盾するようなシーンとなってます。
まるでヴェノムは、最初からビッグボスのファントムであることをわかっていたかのような印象を与えています。

そしてテープをカセットデッキで再生開始したシーンから血塗れのヴェノムが現れるシーンまでの時間経過がよくわかりません。
マザーベースが「ダイヤモンドドッグズ」から「アウターヘブン」となってる。
その間の話がすっ飛んでるってことですかね。
ビッグボスのメッセージを聞く前に、後方で銃声音がしていました。
ですからその時点で「アウターヘブン蜂起」は始まっていたと思う人も多々。

ヴェノムが再生したあのテープは「N313」だと思われてますが、明確な数字は見えません。「Operation Intrude N 」という文字までは確認できます。
だから「N313」であろうということなんでしょうけどね。

それとヴェノムが血塗れで角が伸びた状態で現れたこと。
何をして「鬼化」したのか?です。
FOXHOUNDに抵抗しただけで、あそこまで鬼化することはないように思えます。

ゲーム自体も「残虐度」というのがあり、殺戮など残酷なことをやり続けると角が伸びて血塗れになる仕様ですからね。
とりあえずヴェノムはあのテープをカセットデッキに入れてから、変貌したってことになるんでしょう。

世界的には「アウターヘブン」は必要悪として黙認されていたらしいですね。しかし殺戮兵器(メタルギア)の情報をNATOが得た。
本物のビッグボスはFOXHOUNDの総司令官として、「Operation Intrude N313」で動き出し、メタルギアの偽情報を掴ませて終わらせるつもりだった。
それで「メタルギア」を懸念するNATOを納得させる手はずだったのか。

先陣を切って潜入したグレイ・フォックスはメタルギアを見てしまい、しかも捕らえられ捕虜となった。
グレイ・フォックスの捜索も加わり、新米のソリッド・スネークがアウターヘブンへと潜入。しかし新米でありながらもソリッドは能力が高く、メタルギアの真の情報を知り破壊を企てます。

そこに現れたのがヴェノム。
ソリッドにしたら目の前にはビッグボスがいる。
別人だとは知らない。

ヴェノムがビッグボスの部下であるFOXHOUNDの隊員に対し、攻撃することを躊躇したなら?
本物のビッグボスは司令官として、アウターヘブンを何とかしようと表向き動いてるわけです。ヴェノムは板挟みですね。

ヴェノムはビッグボスの面目を潰さない選択をしたのかもしれない。
しかしそれは自分が築いてきた全てが壊されること。
多くの部下も巻き込んでしまうだろう。
かつて亡くなった部下たちを「海の藻屑にはさせない」と言ったヴェノム。けれど、ここで全てを海の藻屑にさせてしまう。

本来ヴェノムは殺戮を是とする人間じゃなかった。
だからゲームに於いてもプレーヤーには残虐な行為を戒めるため、ヴェノムの角で示していました。
ヴェノムは本来何を望んでいたかは、最後の最後でボスに語り掛けているようなメッセージで表現していたのだと思います。

ビッグボスからザ・ボスに対するメッセージだと解釈する人もいますが、私が思うに、ヴェノムが武器のない世界、自分たちを必要としない世界を望んでいたんだと思います。
しかしビッグボスは違う。
生きてる充足を戦いの中で見出そうとしていた。

ラストシーンを観察すると…



鏡を割った血塗れのヴェノム。
鏡に映ってるヴェノムは酷い血塗れではなく、しかも自分の左腕があり、頭部に刺さってる破片がなく、アイパッチしていません(鏡の亀裂がアイパッチの紐みたいに見えるだけ)
もしかすると「照魔の鏡」という表現かもしれませんね。

まるで鏡の向こうのヴェノムは自分に憤っているようにも見えます。
スカルフェイスと同じで影として人知れず任務を果たすことのみ。
自分が望むことを目指すことすら許されない。
どこからも干渉されない自由な意志での軍事国家を築いてるはずが、ビッグボスの下、自分は干渉されまくり束縛されている矛盾に憤っていたのでしょうか。

Vが目覚めた時、第三の子供の力に影響を与えた。
彼は昏睡状態の時から、何かに憤りや怒りを抱いていたということでしょうかね?
その憤りが最終的に彼を鬼化させたのかもしれません。

去っていくヴェノムの姿は、アウターヘブン崩壊の瞬間でしょう。

そういえば、ファン創作の「これが真のエンディングだ」という動画があります。
とても美しい終わり方で、ファンの間でも高評価です。
でも個人的には、迎えに来たのはクワイエットではなくパスの方が良かったかな。
パスのお腹の傷が「V」だったのは、「ヴェノム」への伏線でもあったでしょうし。その傷が消えてるパスがヴェノムを迎えに来るって示唆的じゃないですか。

ヴェノムはTPPだけで、他のMGSのキャラを食っちゃった感じですね。
ゲームのプレースタイルも相まってか、感情移入しやすい状態だったことも要因でしょう。私もヴェノムのキャラクターは好きです。

多くを語らないキャラだからこそ、際立ちましたね。
台詞が少ないっていう批判もありますが、ヴェノムの人物像がより伝わったと思います。未完成ながら、なんとか破綻させずにMGへ繋げられてたと思います。




【おまけ】
「お待たせしたわね」









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