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第七章#2 アリアのあの台詞について@ゲーム・オブ・スローンズ

第七章は2つのエピソードを終了しただけですけど、以前も書きましたが第七章は「パンくず拾い(伏線回収のような)」が多く含まれているようです。
今シーズンは離れた場所にいた人物が出会ったり、再会することが多くなるため、キャラクターのそれまでの出来事が改めて語られたり、思い出したりというシーンが増えるのだと思います。

これは、ドラマを長らく見続けてきたマニア向けの側面もありますね。
細かしいことに気づくのを「イースターエッグ」と海外では呼んでいるようですが、ストーリーの流れだけを追っていた人には気づかないという点です。
ドラマ制作サイドは、そういうマニアックなファン向けに「パンくず拾い」で、点と点を線で結ぶ構成としての第七章に作り上げたかもしれません。

以下はネタバレです。未見の方は注意。


日本は言語の違いとして、台詞に弊害が生じることがあります。
字幕や吹き替えで翻訳する際はそれなりに気を配っていると思いますが、脚本家がどういう意図でその台詞にしたかを読み取ることができず、翻訳してしまう場合です。
それによって日本の視聴者が気づかないことが多々あります。
たとえば、ドスラク人女性がデナーリスに言う「It is known」ですね。
字幕ですと色んな表現で記されているため、同じ言葉を言っているとは気づきにくいです。

今回、ナイメリアが去った後に言ったアリアの台詞がそうです。
字幕では「あなたらしくない」となっていました。
実際の台詞は「That's not you」です。


その「That's not you」は、第一章でアリアがブランのことに関して父エダードと話をしているうち、エダードから「女性は城の城主と結婚して・・・」と言われた際、アリアが「That's not me」と言った台詞と重ねているのです。
エダードは漠然とでもアリアの将来への理想を語ったわけですが、アリアはそれを否定しました。


今回、アリアはナイメリアに再会し、昔のナイメリアのイメージをもって「北へ帰ろう」と声をかけました。
しかし、ナイメリアは自分の群れを率いて去っていった。
アリアはナイメリアを懐かしい思い出として重ねましたが、ナイメリアはあの時から自分だけで生きてきた。

第一章でアリアがナイメリアと別れたのは、捕まれば殺されてしまうと思ったから。
そして同じ第一章で、アリアはエダードの謀反によって捕らえられそうになり、シリオ・フォレルから逃がしてもらった。
その二つのシーンは重なっていて、ナイメリアもアリアも逃してもらった後、同じように生きてきたのです。

「ナイメリアと私は同じだ」
きっとアリアはそれを悟って、「ナイメリアはペットのような生き方をしない」というニュアンスでの台詞だったと思います。
離れ離れになっていたアリアとナイメリアですが、アリアは生き方としての共通点を見出し、大きな繋がりを感じたことでしょう。


そういうことで、「あなたらしくない」という日本語字幕は、混乱させますね。
まるでナイメリアが変わってしまったことにショックを受けてるようなニュアンスになるので、私も「????」となりました。
翻訳するための台本には、その台詞の意図まで示してないでしょうし、繋がりなんかは度外視しちゃうでしょうから仕方ないですけど、変更できるのであれば「あなたらしくない」は変えて欲しいかな。






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