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アリアが夜の王を倒すと信じる人々@ゲーム・オブ・スローンズ

第八章の撮影情報に触れるたび、ファンによる予想で盛り上がります。
「完結」を迎えるシーズンですので「希望的予想」も含まれ大騒ぎ。しかし過去シーズンを踏まえてはおらず、「オチ」のみに固執してるケースは多々あります。

過去シーズンのプロットなども無視した「リーク」と称する中身への苦言を先日書きましたが、オチに固執しているファンが忘れてるポイントを今回は書きたいと思います。

スターク家のキャラクターが今まで辿ってきたこと


死の軍団が動き出し、人間vs死者という構図になるだろう第八章。
そこだけに注目し、各キャラクターが長々と辿ってきたことは何だったのか?という点を度外視している意見が実に多いです。

そこで、スターク家のキャラクターのみですが、改めて振り返ってみます。

・ジョン・スノウ
「落し子」の彼はスターク家に居場所がなかった。
それで自分の居場所を求めナイツウオッチになることを決意。
ジョンは自分の力を発揮し役に立つことを望んでいたのですが、雑士からスタート。しかし重要なことを学びました。
それはリーダーになるために必要な「義務を遂行する責任感」です。

第四章まで彼にとって敵は「野人」でした。
しかしマンス・レーダーのリーダーシップをリスペクト。
第五章から本当の敵(死の軍団)に対処する行動に出始めました。

・ブラン・スターク
ブランの場合は、ほとんど三つ目の鴉になるためのラインでした。
壁を越えて北へ進み、三つ目の鴉となる旅を長らく描いてきました。
ブランもまた「死の軍団」と関連するキャラクターです。

・サンサ・スターク
彼女は欲望や策略が蔓延る場に長らく置かれ、サーセイ、リトルフィンガーと接してきたキャラクターです。
サンサの場合は、彼女自身が「スタークに戻る」という旅でもありました。
唯一、異質な世界とは無縁の人間社会に身を置いていたスタークです。

・アリア・スターク
アリアは「復讐」のための旅でした。
彼女と関わった人の死や離別、理不尽な目に遭っている人々を多く見てきました。
そして、彼女の中の怒りや恨みが暗殺者への道へと導きました。

過去に描いてきたことを度外視するべからず


スターク家のキャラクターが過去シーズンで描かれたポイントを見ると、「死の軍団」に繋がっていたのはジョンとブランです。
サンサとアリアは第七章を終える時点でさえ、死の軍団とまったく関連していません。二人にとっての敵は王都にいます。

しかしアリアがブランからヴァリリア鋼の短剣を譲り渡されたことで、「アリアが夜の王を倒す」と信じて疑わない人々がいます(しかも多い)



ず~~~~っと、アリアは死の軍団に関わるシークエンスはありませんでした。
ブランがヴァリリア鋼の短剣を渡したというだけです。
そんなアリアが第八章で唐突に夜の王を倒すヒロインになるんだろうか?

アリアは父、母、兄が殺害された現場にいました。
ですから、アリアのストーリーラインは「復讐」のために時間を費やしてきました。視聴者も彼女の哀しみと怒りに共感してきた側面があります。
アリアのストーリーラインのほとんどが復讐心に基づいたものであり、それを度外視して「夜の王を倒す」ということになると、一貫性が欠落してしまいます。

”ニードル”はアリアを象徴する武器なのです。
ヴァリリア鋼の短剣をブランから渡されたからと言って、”ニードル”以上の存在にはなり得ないと思います。

ヴァリリア鋼の武器ならば、ブライエニー、ジェイミーも持っています。
しかも二人が持っている剣は、スターク家の「アイス」から鍛造した剣です。
アリアの短剣がそれらの剣よりも重要な役割を持っているのでしょうか?

いきなりアリアと夜の王を関連付けるのは強引


アリアにとっての神は「死」です。
死の軍団とは、死者が死をもたらす集団です。
「黒と白の館」は死を望む人たちが訪れ、顔のない男は贈り物として死を与えます。それに、顔のない男は死者の顔を使います。
死の軍団に対しアリアはどう見るのでしょう?

「ヴァラー・モルグリス」

当然、死の軍団との戦いにアリアも巻き込まれるでしょう。
そこから、アリアを死者との戦いに終止符を打たせるヒロインとして突然飛躍させた場合、アリア自身の「復讐」というストーリーラインを壊すだけではなく、ジョンのラインも壊すことになります。

そして最も肝心な点。
夜の王はヴァリリア鋼の武器で倒せるのか?ということ。
ホワイトウォーカーと同じような方法で倒せるという情報はありません。

加えて、夜の王を倒したら死の軍団が総崩れするという展開であるなら、使い古したSF映画のオチと同じになります。

アリアは映画「インデペンデンス・デイ」のウィル・スミス的役割?(苦笑)
「インデペンデンス・デイ」は大本の宇宙空母にコンピューターウィルスを仕込み、全ての宇宙船のバリアーが解除され、それで人間の攻撃が可能になり宇宙船を破壊して大勝利♪というオチ。

ゲーム・オブ・スローンズは何年にも渡って描いてきたドラマで、目指している結末が22年前の映画と似てるのか?
・・・違う意味で震えそう(笑)


海外には各キャラクターのファンになってる人が割と多く、ファンだからこそ世界を救うヒーローやヒロインになって欲しいと思っているんでしょうねぇ。
たとえば、このような楽しい(?)予想をたてたり(苦笑)

「木を見て森を見ず」というような予想に陥っているケースがある中、一方で過去シーズンで描いてきたことの中に「既に結末のヒントが出ているはずだ」という見方をしているファンもいます。
視聴者が気にも留めないような、何気ない台詞にヒントが隠されているかもしれませんね。私も同じように考えています。

「これはもしかしたら結末へのヒントかも?」と気になっている台詞等、そういったファンの意見もありますので、後日改めて紹介したいと思います。
第三章のオレナとサーセイの会話で、私がオレナの台詞はトメンの行く末を示唆していたんじゃないか?と思ったように、「何となく匂わせてるような~」という解釈ですけどもね。







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