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ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」をより楽しむことを目指しています。写真の合成加工作品も掲載。

サンサはサーセイになりたい?@ゲーム・オブ・スローンズ

ネタバレしています。未見の方は注意。


第七章第一話で、サンサは「サーセイは敵に対して徹底的に潰しにかかる」とジョンに話し、まるでサーセイを讃えているようだと言われましたね。
それでなのか、「サンサはサーセイのようになりたがってるのでは?」というセオリーが登場しました。
根拠として、以前のサーセイの髪型とサンサの髪型が似てると。
確かに髪型は似てるんですけど、ポイントはそこじゃないと思います。

サーセイの影響をサンサは少なからず受けているだろうということは当ブログでも説明しましたが、私個人の意見では髪型はそれほど重要ではないと思ってます。

サンサは王都に来たばかりの頃、セプタから「南の女性のような髪型ですね」と言われ、「だって南にいるんだもの」と屁理屈で返しましたね。
そしてマージェリーが王都へ来てから、サンサはリトルフィンガーから「髪型がマージェリーのようだ」と言われて、「今の流行です」と答えてました。
つまり、サンサは影響を受けやすいということを既に髪型で表していた。

サーセイの髪型に似ているのは、今が初めてではありません。


現在の髪型は、むしろ北部の女性らしさを出していると思います。
第一章第一話で、王ロバート・バラシオンを出迎える頃の髪型。

世間知らずな少女時代と、色々な経験をしてきた現在では若干異なっていますが、基本的には同じ髪型だと私は思ってます。

それに、現在の髪型はサーセイに特化していません。
七神正教に染まった(ように見せかけていた)マージェリーの髪型にも似てます。


さて、話は少し変わるんですが、サンサはアンバー家とカースターク家を処罰するようジョンに反論しました。
諸侯たちの前で「北の王」に反論するということ自体、まったく愚かしいことです。
ジョンが憤慨することは当然です。
ロブは母キャトリンにさえ、皆の前で反論させませんでした。

ジョンがその両家を処罰しなかったのは賢明な判断です。
第三章、自分の息子をジェイミーに殺されたからと、リカード・カースタークは息子の死とは関係のないジェイミーの従兄弟の少年二人を殺害。
これでロブはカースタークを処刑したのですが、結果的に軍の弱体化に繋がった。

思い起こせば、そのロブがラニスター軍と戦っていたことで、サンサはジョフリーにクロスボウを向けられ虐げられた。
その時、サンサはジョフリーに「私は無関係です」と訴えたはず。


それを忘れたのか?サンサ。

父と兄は謀反者だからと、サンサはジョフリーやサーセイから嫌がらせを受けてきたのに、そういう経験が活かされてませんね。
彼女は常に誰かから救われてきました。
ハウンド、ティリオン、リトルフィンガーでさえサンサを救い、シオンも結果的にサンサをラムジーの手から逃した。

サンサは確かに耐え続けてきましたが自分で何かを乗り切ったわけではありません。
リトルフィンガーが言っていたように、常に被害者の立場だった。

そういうことで、サンサは昔のような愚かさはなくなりましたが決して賢くもない。
何か勘違いしているという感じがして、ちょっとネックだなぁ~。









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第七章#3あたりの予告編??@ゲーム・オブ・スローンズ

アメリカではコミコン開催中なのかな?
そこではHBOが公式にUPしていない予告編が流れたようなのです。
HBOは公式に予告編の動画をUPしました。
既に公開されてた2つの予告編がありますが、そのどちらにも登場していないシーンですので、「おっ!」という感じです。

予告編を見ると、恐らく第三話あたりのようなんですねぇ。

ここから先は上の予告編から、一部解説します。
ネタバレの類なので、自己判断でお読みください。

まずこのシーン。


サムの父親ランディル・ターリーと弟のディコン・ターリー。
赤の王城へやってきて、サーセイと会っているシーンですね。
サーセイは「狂王の娘は七王国を破壊するだろう」と言い、「彼女を止めるために共に戦う必要がある」というようなことを言っています。
ターリー家はラニスターと共にデナーリスと戦うことになります。

次は、北部。


ジョンが第一話で指示した通り、子供たちも弓や剣術の訓練を開始してますね。
女の子もいます。
他の場面でジョンは「ドラゴンを率いているデナーリスに、夜の王との戦いで協力してもらう」というような話をしてます。
自分たちだけで戦うことは無理だと。
しかし谷間のロイス公は「ターガリエンは信用できない」と言ってます。

そして気になるのは、この二人。


メリサンドルと魔法が大嫌いなヴァリスのご対面。
二人は何を話すんでしょう?
メリサンドルがなんとなく物悲しい表情になってますね。
第六章でドヤ顔がすっかり消えたメリサンドルですが、ヴァリスからも痛いところを突かれてしまうのでしょうか?

動画の方の最後、メリサンドルはデナーリスに「あなたは他の者と同様、使命があると信じています」と言ってます。
それは真の戦いに於ける使命のことでしょうね。

その他のシーンは、想像して楽しんで下さい。





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第七章は成熟している印象@ゲーム・オブ・スローンズ

残り2シーズンとなり、佳境に入った第七章。
過去6年間の総決算とまでは言えませんが、過去に撒いてきたパンくずを拾い出してる側面(伏線回収)があるのではないか?との意見も出ています。

単にストーリーだけを追っていると気づかない、深いところに意味が込められている・・・という印象を私は受けました。
D&Dは当初、「第七章は会話を中心に軽いアクションで構成にするつもりだった」とインタビューで答えていました。
それは最終章の前に軽く流す程度ということではなく、人間のより深いところの心理を重点にしたかったのだろうと思えます。
結果的にはその意図を保ちつつ、人間同士の大規模な戦いを「これでもか!」というくらいに盛り込んだのでしょう。

ではさっそく、ドラマを見終わった後、「面白かった~」「つまらなかった」だけで終わらない人のために(?)、第七章第一話を検証したいと思います。
以下はネタばれしています。未見の方は注意。




まずは、サーセイとジェイミーのシーン。
 

ジェイミーはサーセイと距離を取って立っていました。それは二人の間に距離が生じてきたことを表しているようでもあります。
ジェイミーがトメンの自死の件をサーセイに言った際、彼女は「私たちを裏切った」と答えました。それは何を指して「裏切った」と言ったのでしょう?
自ら死を選んだこと?
ハイ・スパロー側についたこと?
恐らくはその両方でしょうね。

サーセイはトメンを大聖堂へ行かせませんでしたから、死なせたくはなかった。
そういう母心よりも、トメンはハイ・スパローや彼に毒されたマージェリーの元へいくことを選んだ。それがサーセイにとっては「裏切り」なのでしょうね。
一方で、サーセイは魔女の預言通りになったことを見届けた感もあるでしょう。
子供たちの死は預言通りであって、自分に落ち度があったわけじゃないと。
サーセイは「できる限り、その死を阻止しようとした」と自負してると思います。

サーセイ 「私が恐ろしい?」
ジェイミー「恐れるべきなのか?」
サーセイ 「・・・・・」

続いて、ジョンとサンサ。
スターク家を裏切ったアンバー家とカースターク家に対する処遇について、二人の意見は対立しました。
ジョンは諸侯たちの前でキッパリと「スターク家に改めて忠誠を誓うなら処罰しない」と言いきった。
サンサはそれが気に入らない。

では、なぜ二人は対立してるんでしょう?
お互い見ている「敵」が違うからです。
ジョンは夜の王を見ていて、サンサはサーセイを見ている。
実際に夜の王に遭遇し、死の軍団の恐ろしさを見たものは七王国の中でほんの僅か。
当のナイツウォッチたちでさえ、ジョンが夜の王に対抗するため野人を壁の南側へ入らせた決断を理解できずにいたのに、サンサが容易に理解できるわけではないです。

サンサは人間の恐ろしさをずっと味わってきました。
彼女にとってはサーセイの方が脅威。
その辺のことを二人は話し合っておらず、北部はどの脅威に対しどう対応すべきなのか共有していないことがわかるシーンでした。

サンサはジョンに「父や兄は賢くなかった」と言いました。
彼女が今まで王都で見たり体験したことは”政治的”な部分であり、父と兄は戦場で戦って死んだわけではないということを言いたかったのかな?と思います。
死の軍団だけに固執していると、足元をすくわれるとサンサは感じているのでしょう。
なんせ、サーセイは個人的な思惑で鬼火を使って多くの人をふっ飛ばしましたからね。
人間の方が夜の王よりも残忍で恐ろしいかもしれません。

そして、もうひとつの脅威がウェスタロスへ来ました。
それはドラゴンです。

次は、ブラン。
あの僅かなシーンだけで、ブランは三つ目の鴉となったことを示したと思います。
ミーラが自分たちの名をエッドに告げ、エッドは「証拠はあるのか?」と尋ねた際、ブランは夜の王が迫ってきていると言いました。
「ジョン・スノウの弟」とは言わず、夜の王の話をしたことに違和感を感じた人も多かったようですが、その違和感をあえて感じさせる会話だったと思います。
ブランが壁の南側へ戻るのはブラン・スタークとしてではなく、三つ目の鴉として人類に準備させるためだということでしょう。

アリアのラニスター兵たちとのシーンですが、兵士と言えども普通の青年であり、彼らにも家族がいるということを示しました。
「物事は黒か白ではない」というGRRMの考え方を取り入れているシーンですね。
戦争などのバトルシーンでは、このような人々が死んでいく。

第二章で、タリサがロブに指摘した事柄です。脚を切断したラニスター兵をタリサは「彼は漁師の息子で武器など持ったことはなかった」と言いました。
それと繋がってると思えました。
もしかすると、どこかのバトルシーンでアリアが出会った兵士が出てきて、呆気なく死んでしまうかもしれません。
その時、私たちが何を感じるかが重要です。

最後は、今回パンくずを拾っていたハウンド。


第六章のハウンドとブラザー・レイの会話を思い出してみて下さい。
すべて繋がっています。
レイや村人が虐殺された直後、ハウンドは復讐するために斧を握って昔の自分に戻りましたが、今回ハウンドは自分の使命に覚醒しました。
そのキッカケとなったのは、第四章で出てきた父と娘の死。
ハウンドは過去の自分を省みて後悔し、レイの教えが過ぎったという感じ。
こういった伏線回収は素晴らしいですね。

あと特筆すべきは、デナーリスのシーンです。
「始めましょうか」と言うまで、皆無言です。
ドラゴンストーンに到着し、城の中を歩くデナーリスの姿をじっと見つめる視聴者は彼女がどう思っているか想像し、今まで見たことのなかった城の内部を一緒に見ていく。
台詞に頼ることなく視聴者の感じるままにする。
無言であるからこそ多くを語っているのです。
これらのことから、第七章は成熟してきていると感じました。





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