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ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」をより楽しむことを目指しています。写真の合成加工作品も掲載。

MGSはゲームの域を超えたものになるはずだったと思う

私は小島監督の信者になるほど、MGSをプレーしてません。
クリアできたゲームは「MGS3」「MGS4」「MGS V:GZ」だけですし(苦笑)

私がプレーするには無理な作品の方が多いです。
勿論、初期作品はまったく知りません。

しかし、このゲームのストーリーには興味を抱きまして、時間をかけて「MGS1」からストーリーを追ったり、シリーズの年表を見たりして、だいたい把握しました。

「MGS V:TPP」は結末が中途半端で未完成という風なことも知りましたが、TPPは近年流行のオープンワールドに固執したがために、時間と予算が足りなくなったのかもしれません。
実にもったいない。


映画ではなく、ゲームだからこそ成立する結末がある


もしかすると、初期作品からやってきたプレーヤーにとって、不条理な結末になるはずだったのかもしれないですね。
完成していたらゲームの域を超える大作になっていたのかも。

初期作品から主人公は「ソリッド・スネーク」で、最初の敵キャラがビッグボスだったようですね。アウターヘイブンでの戦いなのかな?
プレーヤーは必死にビッグボスを倒しにかかったはず。

ところが、TPPでそのビッグボスに焦点を当てていました。
彼はビッグボスの影武者「ヴェノム・スネーク」だそうですが、プレーヤーはそのヴェノムに思い切り感情移入してるわけです。

彼が「ビッグボス」となった経緯、そして苦悩も知ってる。
そんな彼とソリッドが戦う場面までゲームに盛り込んでいたとしたら?
プレーヤーはヴェノム・スネークで戦います。
勝つことはない戦いです。
どんなに頑張っても勝てません。
勝てたとしてもタイムパラドックスで戻されてしまうでしょう。

プレーヤーが懸命に築き上げたマザーベース。
一心同体みたいな気分になっていたヴェノム・スネーク。
しかし、それが無になる瞬間。

同じ戦いでも違うものになる。
正義って一体何なのか?
たぶん、小島監督はそれを投げかけたかったのだと思います。

戦争ってそういうものだからです。
立ち位置で変わってしまう。
第二次世界大戦でアメリカが広島・長崎に原爆を投下したこと。アメリカ人は「正義」だと信じたい気持ちでしょう。
「戦争を早く終わらせ、自国の兵士の犠牲をあれ以上増やさずに済んだ」

けれどそのために、非武装の市民を大量に犠牲にしました。

あの原爆投下こそが冷戦の口火を切ったのです。
第二次世界大戦、そして東西冷戦は綺麗に線引きされてるわけじゃありません。歴史は繋がっているものです。

小島監督もそれを知っているでしょうが、タブーぎりぎりのところまでしか触れられずにいたと思います。

米ソ対立の構図は第二次世界大戦中に生まれてた


ソ連とアメリカが同盟国?
ヤルタ会談でアメリカがソ連に対日戦への参戦を促した目的は何か?
米ソはテーブルの上で握手し、テーブルの下では銃を突きつけ合ってたとも言われてます。両国とも当時は世界の覇権を狙っていたからです。

原爆はアメリカの強さをソ連に見せ付ける目的もありました。
ドイツが敗北し、ソ連が対日戦に参戦する時期が早まり、アメリカは慌てました。満足な核実験もしないまま、日本に投下。

原爆投下予定地域は予め決められていた。
ですから、その地域は空爆をしませんでした。
建物の破壊影響も知る必要があったからです。

ソ連はアメリカの原爆投下を見せ付けられ、対抗するために急いで核開発を行いました。やがて爆弾ではなくミサイルに搭載できるものが出来上がった。

「MGS3」の時代背景は、まさにそれ。

ザ・ボスが言っていた「相対敵」
アメリカにとって、第二次世界大戦では手を組んでいたソ連と中国がそうです。
共産主義者に政治中枢を支配されていたことに気づいたアメリカは、ヒステリックに赤狩りを始めた。

これらをMGSでは、ゼロとビッグボスの関係に置き換えたという風に思えます。

ソリッドとヴェノムの戦いは、言わば「代理戦争」ということになります。
初期作品ではプレーヤーにソリッドとして戦わせ、TPPではヴェノムとして戦わせる予定だったのかなぁ?と。

戦いの結果は既にわかってる。
それでもプレーヤーはヴェノムとして戦わなければならない。
MGSをやってきたなら、ソリッドは敵として見られない。
だけどヴェノムにも感情移入している。
そんな理不尽さを体験させたとしたなら、私はゲームを超えたものになっただろうに・・・と思います。

カタルシスはない結末。
本来、戦争にカタルシスなんて有り得ません。

私はTPPがそこまで描き入れられずに終わったことを残念に思います。

「勝利への讃歌」がチョイスされた理由は?


それと、「MGS4」から流れてる(?)映画「死刑台のメロディ」の曲。私はその映画を見たことがありますが、「冤罪」だけの問題ではありません。
権力者によるコントロールで、意図的に処刑したことが問題なのです。
その事件のあった時代背景も当然影響してのことですが、二人は「見せしめ」として処刑されました。

逮捕した警察官が処刑の判決を下すわけじゃありません。当然裁判があります。
権力者は証言者を操作し、死刑判決に至らせました。
私はそういったことの恐ろしさを感じた映画でした。

誰かが何かの目的で「命」を利用する。

ゼロとビッグボスはそれをやったのです。
ヴェノム、ソリッド、リキッド、ソリダス・・・彼らは利用された「命」です。
ザ・ボスは国家に利用され続けた「命」
戦争も兵士の命を利用します。
「MGS4」のPMCも”カエル”も何ら変わりません。
ですから、そういう観点であの曲をチョイスしたのかな?と私は思いました。



・・・最近、MGS関連の記事ばかり書いておるわい(笑)
「GOT」が終わっちゃったからねぇ~。







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