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映画「アメイジング・ジャーニー 神の小屋より」

日本では石田純一の娘”すみれ”が出てるってだけで話題になった映画です(苦笑)
ハリウッド映画ではなくインディペンデント系映画ですが、アメリカの映画に出ると何故か「ハリウッド・デビュー」になるらしい(笑)

今回もネタバレなしでの感想。

※このポスター素敵ですね(日本のチラシはネタバレ気味ですよ)

2017年/アメリカ
【監督】スチュアート・ヘイゼルダイン
【出演】サム・ワーシントン、オクタヴィア・スペンサー、ラダ・ミッチェル 他

【ストーリー】
妻、三人の子供と幸せに暮らすマック。
そしてヴァカンスでマックは三人の子供を連れてキャンプに行くが、突発的なアクシデントが起り、その最中に末娘の姿が消えてしまう。
警察の捜査によってキャンプ場から離れた小屋から娘の服と血痕が見つかり、遺体は発見されないまま末娘の葬儀を行う。
悲しみから立ち直れずにいたマック。
大雪が降ったある日、郵便受けに一通の手紙が入っていた。
手紙には「週末、あの小屋で待っている」と書かれていた。
         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

原題は「The Shack」で”小屋”という意味です。
映画のタイトルって原題はシンプルなものが多いですね。シンプルすぎるとも思いますけど、邦題は逆でイメージをとことん演出するようなものが多いです。
副題までつけて頑張ってます(笑)

この作品はぶっちゃけ、もろに「宗教映画」です。
マックの妻は熱心なキリスト教信者で、神を「パパ」と呼んでいました。
そのパパの存在とは何か?生きることは何か?を描いているような印象。

――ということで、宗教絡み故に、私個人の感想という部分を改めて強調しておきます。宗教観は人それぞれですし。

この世界はすべて神が創造した・・・という考え方に共感できないと、物語に入り込むことは難しいかもしれません。
そして「人間は神に似せてつくられた」という考え方もポイントでしょう。

私はこの作品に描かれている訓えに、一部は納得できました。
人は毎日毎日誰かを裁いている・・・という下りです。
その裁きの基準は自分自身であり、「善悪」という判断基準は移ろいでいくという点も。

しかし無自覚ながらも最も裁きの対象としているのは、自分自身へです。
その点を触れてないのは残念。

このキリスト教絡みの作品を見て、私は何年か前に見た「グレイス・カード 許しの力」(2010年/米 ※日本未公開)という作品を思い出しました。


その映画も、登場する父親は悲しみや憎しみを抱え込んでいるという設定です。その父親を救おうとする牧師の葛藤なんかも描いてます。
で、テーマは「憎い相手を許しなさい~」というもの。

今回の「アメイジング・ジャーニー」も似たような方向性です。
とにかく「許せ」と。
それによって、前へ進んでいけるという風な展開。

私は自分を苦しめた相手を許す・・・というより、その憎しみを握り締めている自分を許せっていう風なことが一番大事だと思いますけどね。

「まずは、自分を許そうよ」



この映画を見ながらキリスト教徒は天を仰ぎ「ハレルヤ!」と叫びそうなんですけど、私は正直に言えば「綺麗ごと過ぎるなぁ」と一歩引いた感じになってしまいました。

宗教絡みながらも心に響いたのは、聖フランチェスコの青春時代を描いた「ブラザー・サン、シスター・ムーン」(1972年/伊=英)です。
淀川長治さんは某映画雑誌に「これは宗教映画ではなく、青春映画です」と解説していましたけどもね。

この世のすべてには神が宿る。
八百万の神と似たような考え方です。
日本は「貧乏」も「厄病」も神様がついてます(苦笑)

さて、「アメイジング・ジャーニー」に出演していたオクタヴィア・スペンサー。
とても良い女優さんですね。
黒人の女優さんの中でダントツだと私は思ってます。

彼女は台詞を喋らずとも、その佇まいに安定感があります。
そして安心感を得られるというか。
そういう意味で、この作品に於いて彼女をキャスティングしたということは評価します。

物語として末娘がいなくなった事件へのオチはありません。
あくまでも、マックの心の葛藤と旅みたいな話です。








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