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ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」をより楽しむことを目指しています。写真の合成加工作品も掲載。

「誰でもない者」って何?@ゲーム・オブ・スローンズ

第五章、第六章を見て「誰でもない者」って何?と疑問を抱いた方は多いんじゃないでしょうか?
私もその一人です。

ネタバレ含んでいます。
第六章未見の方は注意。


アリアが第五章でブレーヴォスの黒と白の館へ出向き、ジャクェンのもとで修行が始まりました。
常に「お前は誰だ?」と問われ「誰でもない」とアリアが答えると、バシバシ叩かれ続けていましたね。
以下は、セオリーというより私の意見、解釈も含めながらアリアの件を考えたいと思います(またも長文です)

◆アリアはアリアになるために黒と白の館へ導かれた。
彼女が黒と白の館へ向った目的は「復讐をするために暗殺者になりたいから」です。
復讐することを握り締めていたアリア。
しかも、アリアは逃亡中「アリア・スターク」だということを伏せなければならない状況が続きました。男の子のフリをしたり、偽名を名乗ったり、自分のことを偽り続けてきたのです。

彼女は父、母、兄が殺害された現場に遭遇。
アリアの大狼ナイメリアとの別れ、友人が殺され、剣術の師シリオ・フォレルとの別れ(殺された?)、仲良しになったホットパイ、ジェンドリーとの別れ等、アリアは死や別れを通して自身のアイデンティティも見失ってきたことでしょう。

その頃のアリアはアリアじゃなかった。復讐したい少女だった。

ジャクェンもそれを充分承知していたと思います。
では、なぜジャクェンはアリアを受け入れたのでしょう?
「娘は”アリア・スターク”を取り戻さなければならない」(ジャクェン口調でよろしく)・・・ということなのですかね?

黒と白の館での修行は「お前は誰だ?」と問われるシーンが多かったですね。
その都度、アリアは「No One(誰でもない)」と答え、バシバシ叩かれていました。
「娘は神にも自分にも嘘をついている」「アリア・スタークの物を持っていながら、どうして誰でもない者になれるんだ?」と言われ、着ていた服や持ち物を捨てた。
しかし、”ニードル”だけは手放せなかった。
アリアは自分を見失っていましたから「No One」と言うことは平気だけれど、要の部分ではアリア・スタークを捨てきれない・・・という象徴するシーンだったと思います。

で、私個人はそれらのシーンを見ながら、「ジャクェンはアリア・スタークであることを自覚させてるような気がする」と思ったんです。
ニードルを捨てられないことはわかっていたでしょう。
アリアに関する質問もしていましたし(家族の名を言わせたり)
こうして、アリアは館に於いて自分が「アリア・スタークなのだ」ということを認識せずにはいられなかったんじゃないかと。
しかし、アリアは「アリア・スターク」を否定し続けた。
だからボコボコにされた。

◆アリアは何を館で修行したのか?
指示に従わずマリーン・トラントを殺害したアリアは盲目にされてしまいました。
これは、ジャクェンの計画だったんじゃないか?と思います。
賭博師のいる港のそばへ牡蠣売りの少女に扮したアリアを行かせましたが、周りを観察するように言いました。
つまり、ジャクェンはマリーン・トラントが現れることを知っていて、アリアが目撃するように仕向けたんじゃないかと思うんです。
トラントを見つけたアリアが復讐することも。

さて、盲目にされたりして、アリアは何を館で学んだでしょう?
・嘘をつくこと(病の少女に泉の水を飲ませる時に上手く嘘をついた)
・別人に扮すること(牡蠣売りの少女)
・臭いだけで毒を嗅ぎ分けること。
・目に頼らず戦えること。
・自分が死ぬという恐怖を乗り越えること。
・誰でもないアリア・スタークであること。

レディ・クレーンの暗殺を指示された後、視聴者もアリアはアリアのままであるということがわかりました。ターゲットのレディ・クレーンが出ていた七王国の寸劇を見ていたアリアの表情が物語ってます。
コミカルにされてた父エダードの場面では渋い表情、ジョフリーが死ぬ場面では面白がってる表情・・・本人は自覚せずともアリアのままだということを示すシーンでしたね。

◆アリアは「アリア・スターク」に戻って「No One」「顔のない男」になった
ジャクェンは暗殺を失敗したアリアに対して館の少女に殺すよう命じました。
レディ・クレーンを殺さなかった(むしろ助けた)アリアは、隠していたニードルを再び手にしました。そして、何か覚悟を決めたかのような感じ。
(この後の展開は唐突に感じますけど、意図的なのかも)

町を歩いていた(無防備な)アリアは、少女にグサグサグリグリと腹部を刺されました(少女は思い切り痛がらせてる)
川へ飛び込んで逃げたアリアは、腹部を押さえながら恐怖に満ちたような怯えた表情・・・という感じで7話目が終了。

8話目は「No One」というエピソードタイトル。
館の少女は執拗にアリアを追いかけた。
もう、「お前はターミネーターか?」と言いたくなるような(苦笑)
あんなに人を突き飛ばしながら追いかける暗殺者?お前は何がしたいん?と突っ込める描写でしたね。

これらの展開、実はアリアが館の少女をおびき寄せるための工作だったとしたら?

館の少女はアリアが瀕死の重傷を負っていると思っている。
館の少女はアリアが必死に逃げ隠れしてると思っている。
館の少女はアリアに対して妬みなどの負の感情を持ち、それらに飲み込まれている。
館の少女は暗闇で戦ったことがない。

アリアはお腹の傷の痛みで息絶え絶えのフリをしていた(出血はしていたけれど)
そして、まんまと引っ掛かった館の少女。
アリアはニードルを隠していた場所へおびき寄せることに成功し、ロウソクを消す。

そして、終盤。
黒と白の館にて・・・

アリアはジャクェンに「殺せと命じたのか?」とニードルを突きつけて問うた(アリアは腹部を痛そうにしていません)
ジャクェンは「そうだ。だが彼女はこうなり、娘は生きている」
そして「娘は誰でもない者になった」と告げましたね。
アリアは反論するように「娘はウィンターフェル出身のアリア・スタークだ」と答え、ジャクェン、少しニンヤリ。

「アリアはアリアなのに、誰でもない者になったってどういうこと??」という疑問を持つと思います。私もそのシーンでそう思ったんですけどね。
セオリーも漁ったんですが、死んだのはアリアで少女はアリアの顔になってるとか、少女とアリアは同一人物だとか、色んなセオリーが出まくってました。
まぁ、どれも個人的にはピンとこないものばかり。
映画「ファイトクラブ」のように少女とアリアが同一人物なら(アリアにしか少女は見えてない)、少女が町の人たちを突き飛ばしていくシーンが矛盾します。

で、「誰でもない者」というのは「誰でもない私は私だ」ということなのかな?と考えたら、なんとなく第五章から続いていたアリアの修行に納得できるというか。
「アリア・スタークは誰でもないのだ」そして「そのアリア・スタークは数多の顔を持っている」
レディ・クレーンがアリアを見て「感情豊かな目をしている」「別人になることは好き?」と言ったことと繋がってるような気がします。
ジャクェンもアリアを見て、「顔のない男」になれる素質を見抜いたんでしょう。

原作なら細かく記されているんでしょうが、ドラマだけを見た限りですと、これで精一杯の解釈です(苦笑)

個人的結論:
アリアはずっと、”アリア・スターク”だったし、これからも”アリア・スターク”である。
エダードが処刑された以降、”アリア・スターク”を捨てねばならなかったが、館で再び取り戻した。そして、精神的に相当タフになった。

長文を読んで頂き、ありがとうございます。
「こういう捉え方もできるねー」という風に読んで頂けたら幸いです。






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サイレントキラー(?)@ゲーム・オブ・スローンズ

これは指摘されてビックリですわ。
よく見てるなぁ~と。

題して「サイレントキラー、ロバート・バラシオン」

第一章1話目、王ロバート・バラシオンがウィンターフェルにやってきましたね。
その時のシーンをご覧下さい(お子様は見ないでね



さて、気づきましたか?

「みんな若いなぁ~」とか「懐かしいな~」とか「ティリオンはワザとらしい金髪だったなぁ~」とか、そっちの方へ気が行きますよね(笑)

なんと、(もう、脱帽しちゃうんですけど)ロバートが触れたスターク家の者は死んじゃったんです。
最初にエダードとハグをします。
その次にキャトリン、そしてリコンの頭をなでなで。
ロブとは握手。

ロバートはサンサ、アリア、ブランには触れてないんです。
これ、偶然なのか、意図してたのか不明ですけどね。
ですから、”ロバート・バラシオンの呪い”だとか”サイレントキラー、ロバート・バラシオン”という異名が(苦笑)

しかしまぁ、よく気づくなぁ~。






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原作者のオリジナルプラン@ゲーム・オブ・スローンズ

ドラマは原作通りの展開にはなっていません。
それを前提に読んで頂けたらと思います。

原作者のジョージ・R・R・マーティン(G.R.R.M)は本の三部作で重要な5人を明らかにしていました。
それを表に出したのは英国の某書店で、昨年ツイッターにオリジナルのアウトラインを書いた手紙を公表。
ツイートは翌日削除されたそうです。
メディアは見逃さず、取り上げていました。
アウトラインの内容はこれです(英語)

その中の重要ポイントと思えるアウトラインは、もしかするとドラマの展開のヒントにもなり得るかもしれないので紹介します。
Five characters were designed to survive all three books」の項目。

G.R.R.Mは、「5人のキャラクターが子供から大人に成長し、自分自身と世界を変えていく彼らの物語」というプランであると説明してます。

手紙の内容は
Five central characters will make it through all three volumes, however, growing from children to adults and changing the world and themselves in the process. In a sense, my trilogy is almost a generational saga, telling the life stories of these five characters, three men and two women.The five key players are Tyrion Lannister, Daenerys Targaryen, and three of the children of Winterfell, Arya, Bran, and the bastard Jon Snow.
※5人のキープレーヤーは、ティリオン・ラニスター、デナーリス・ターガリエン、そしてウィンターフェルの3人の子供たちアリア・スターク、ブラン・スターク、落し子のジョン・スノウ。

もっとも、第六章を見れば「やっぱりな」という感じですけど、「サンサは?サンサは違うの?」という驚きですかね?
でも、第六章の終盤を見ると、サンサはねぇ~・・・。
「サンサは乙女のようでいて腹黒い」という意見があってですね、ラムジーは彼女のそういう部分を見抜いていた可能性が。
だから「お前の一部になっている」と言ったとか。
長らくモンスター(ジョフリー、サーセイ、リトルフィンガー、ラムジー)に囲まれていましたから、それらが彼女を変えてしまったかもしれませんね。






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