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デナーリスは○○であるという考察@ゲーム・オブ・スローンズ

先日、当ブログで「ホワイトウォーカーは○○というセオリー」を紹介しました。
もっとも、セオリーというよりは”考察”のような内容だったんですけどね。でも、そのような考えを基にしたセオリーがあるのは確かです。

原作者のジョージR.Rマーティンは、「物事は白か黒かではない」という風に捉えていることでも知られています。
単純に正義か悪かという構図ではないということで、今回は「デナーリスは悪者である」という観点で考察した記事を紹介します。

◆デナーリスは悪者である◆

デナーリスは素晴らしいキャラクターです。パワフルで魅力的。
彼女の美しさとドラゴンの猛々しさは、多くのファンを魅了しています。
そして、多くのファンはジョン・スノウと共にホワイトウォーカーをやっつけ、ウェスタロスを救うと信じています。
しかし、ジョージR.R.マーティンは、そのような単純な終わり方を望むだろうか?

ファンの中には、デナーリスの厄介な性格や特徴を理解している人がいます。
彼らはそのデナーリスの性格などにより、物語は今後、暗い道へと進むかもしれないと指摘しています。


―◎デナーリスは復讐をし続けている

デナーリスはシリーズを通して、自分の道徳心を以って行動しています。奴隷を解放するということが、その表れです。
彼女は世界を白か黒で見る傾向にあり、自分は正義を遂行していると思い込んでいる。それが彼女の落とし穴です。

第一章でカール・ドロゴ率いる部族たちは、小さな村を襲いました。
デナーリスは暴力を受ける女性たちに胸を痛め、解放するよう懇願。その中に女妖術師が含まれていたことを覚えていると思います。
その後、血盟の男がデナーリスを批判し、ドロゴは男と戦って胸に怪我をした。
デナーリスは、その怪我の治療を女妖術師に頼みましたが、結局女妖術師はドロゴの怪我を悪化させた上に、デナーリスのお腹の子を命の代償として死なせました。

「女妖術師の命を救ったのに、何故?」と、デナーリスは理解できずにいました。
結果的に、多くの部族民から見捨てられたドロゴは生きる屍。デナーリスはドロゴの命の灯を自らの手で消しました。
そして、デナーリスはドロゴを火葬する際、女妖術師への復讐を行いました。
女妖術師を復讐として燃やした炎の中で、ドラゴンが誕生したことを覚えておいて下さい。

第四章、ミーリーンへ行く途中163人の奴隷が磔されていたことを知ったデナーリスは、再び復讐を行います。
町に着いたデナーリスは親方たちを捕らえ、同じように磔にしました。
実際に奴隷の磔を行っていなかった親方たちも磔にしていた事実を知りながら、彼女は自分が下したことは正しいと信じようとしていた。
ここでデナーリスは少しばかりの葛藤が生じました。

第五章、バリスタン・セルミーの進言により裁判にかけるつもりだった親方を元奴隷の青年が殺害しました。
デナーリスは裁判を受ける権利を奪ったとして、元奴隷の青年を処刑。
しかし、ハーピーの息子たちによってバリスタン・セルミーは殺されてしまい、デナーリスはその復讐をするため親方たちを捕らえ、ドラゴンに差し出した。

第六章、デナーリスはVaes Dothrakの神殿でカールたちを焼き払った。
そこにいたカールたちはデナーリスを侮辱していましたが、デナーリスの目的はそこから逃げてミーリーンに戻ることだった。
しかし彼女は火を放ち、彼らが逃げ惑い死んでいく姿を見ながら満足そうな表情でした。

これらのエピソードは、悪人を殺す正義のデナーリスという風に受け止められますが、もしも彼女の道徳的価値観が歪んでいたとしたら?
結局のところ、デナーリスは自分の意にそぐわない者たちを殺しています。

―◎大量破壊兵器としてのドラゴン

デナーリスは完全にドラゴンをコントロールできると思いますか?
彼女は、ドラゴンが農夫の子供を襲ったと知った後、彼女自身がドラゴンをコントロールする自信がないため地下に閉じ込めました。

ジョージR.Rマーティンは、「ドラゴンは今で言うなら核抑止力であり、デナーリスだけがそれを持っていることになる。それは物語に於いても最も強力な人物であると言える」と語っていました。
大量破壊兵器は世界を破壊する力を持っているが、改革の力を与えたり、社会を向上させる力はないのです。
そして、物語の中で幾度も登場する台詞「嵐の申し子デナーリスは征服者」
ウェスタロスが望んでいるのは征服者だろうか?


―◎狂王とデナーリス

物語の中で、バリスタン・セルミー、ジョラー・モーモント、ティリオン・ラニスターなどの側近がデナーリスに父エイリスについて話をするシーンがありました。
デナーリスは父親と同じにはならないと誓っているでしょう。
しかし、父親と同じ道を歩まないとは限りません。

デナーリスはウェスタロスの歴史を知らない。
ティリオンとの会話で「車輪を壊してみせる」と語ったように、デナーリスはウェスタロスの諸家それぞれの立ち位置を知ろうとしていません。
ターガリエン家が再びウェスタロスに現れた時、否定的な人々が多い場合はどうするでしょう?
そして、彼女がターガリエン家を裏切った者たちに対する復讐を図った場合、どのように止めることができるでしょう?

―◎もちろん、デナーリスが悪者ではないという根拠も多い

一部分を抜き出すことによって「デナーリスは悪者」という根拠になり得ます。
けれども、また違う側面を書き並べれば「デナーリスは良い支配者になる」という根拠になります。
彼女は自分が守るべき人々が幸せになることを望んでいます。
そして、ホワイトウォーカーとの戦いに於いて重要な人物でもあります。
ヴァリスが言うように、デナーリスはウェスタロスの希望かもしれません。


ジョージR.Rマーティンのように、私たちも「物事は白か黒かではない」という見地に立つことが重要でしょう。
これは、実社会に於いても同様です。


長文をお読み頂き、ありがとうございます。






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