awesome的な

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映画「アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち」

上質なサイコサスペンスと言える作品です。
原作はエドガー・アラン・ポーですし。
短編小説「タール博士とフェザー教授の療法」を基にした作品。

では、今回もネタバレなしでのレビュー。



監督:ブラッド・アンダーソン
出演:ケイト・ベッキンセール、ベン・キングスレー、ジム・スタージェス
製作:2014年/アメリカ

【あらすじ】
19世紀末、イギリス。
オックスフォード大学の医学生エドワードは、冬の雪深い山の丘の上に建つストーンハースト精神科病院へ訪れた。
エドワードは事前に実習させて欲しいと手紙を送っていたが、その手紙は病院へ届いておらず、改めてラム院長に実習の件を話して許可を得る。

病院での治療方針は、拘束や過激な治療ではなく、患者を自由に過ごさせるものだった。

院内を案内されたエドワードは、ピアノを上手く演奏していたイライザ・グレーブス夫人を見かけ興味を示した。

ある日、エドワードは自室で過ごしていると地下の方から何かを叩く音が聞こえ、彼は地下室へと向かう。そこでエドワードが目にしたものは…。


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もったいぶった”あらすじ”(苦笑)

「ベン・キングスレー、また医者の役かよ」と思えるキャスティングですけどね。
彼の息子がチョイと出てきてました。
日本では地味目に公開した映画ですが、出演している方々は豪華です。


で、なんとなくレオナルド・ディカプリオ主演「シャッターアイランド」を彷彿とさせますが、混乱することはありません。
演出も派手ではないですし、気構えることもなかったです。

話の構成としては二転三転する捻り(どんでん返し)があるんですが、作品自体が「謎解き」に重点を置いていませんから、「へぇ~」という感じでした(私は、ですが)

そういった捻りよりも、最後に差し掛かるシーンで「心の病」とは何か?というものを考えさせるショットが上手いな~と思いました。
自分の行ったことへの罪悪感から心を病んだ人。
人工的に心を空っぽにされた人。
その両者の違いは何か?という風な描写の方が、オチよりも大事な気がします。

19世紀末、今では考えられないようなことで精神異常とされていた時代、「まともであること」を強いられていた時代の息苦しさを感じさせます。
ラストはそういう意味で、自由に生きたいように生きることを否定されていた時代を皮肉るシーンですね。

英国映画「モーリス」
舞台設定として、19世紀末~20世紀になったばかりのイギリス。
この作品でもベン・キングスレーは精神科医を演じていましたが、同性しか愛せないモーリスにこう言いました。
「イギリスは人間性を否定する国だ」

※映画「モーリス」


「アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち」は物足りない!と思った方。
もっと狂気じみた展開にした映画がお望みなら、同じくエドガー・アラン・ポーの「タール博士とフェザー教授の療法」を”ゆるやかに”基づいて製作されたチェコ映画の「ルナシー」をお奨めします(や、あんまり奨めないけど/苦笑)
2005年製作でヤン・シュヴァンクマイエル監督作品。
かーなーりー、表現が過激でキツイです。
見てるだけで、こっちの精神が参りそうに…。






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