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ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」をより楽しむことを目指しています。写真の合成加工作品も掲載。

理想的な「正義」「勇気」で終わらない@ゲーム・オブ・スローンズ

最終章を残すのみですので、当然「どのように終わるのだろう?」ということに関心が高まっています。
多くの夢見るファンボーイ、ファンガールたちは「ゲーム・オブ・スローンズ」の終わりは、ジョンが果敢に夜の王と戦い、ジョンが勝つ・・・と考えています。

しかし、GRRMはそのようなエンディングを望むだろうか?

原作は未完ですし、ドラマとは色々な設定で異なってはいます。
まず、最も重要な点は夜の王の設定自体が原作とドラマでは違うこと。
ドラマに於いて夜の王は重要な位置づけであり、物語の結末に大いに関係してきます。

単純に見れば、夜の王はドラマ上では人類を脅かす悪人に映ります。
最終決戦は「夜の王vs人間(ジョン・スノウ)」という図式になると考える方も多いでしょうが、それに対し一石を投じる意見が投稿されました
今回はその投稿を紹介しますが、

第七章のネタバレを含んでいます。未見の方は注意。


長文です。

勇敢さで夜明けをもたらすことはない




第七章六話目、ベリックは夜の王を指し「ヤツを倒せば」と夜の王を倒すことで、勝利できるという風にジョンに話しました。

確かに夜の王を倒せばホワイトウォーカーは崩れ、長き夜は終わることでしょう。
ドラマでは何度かジョンと夜の王が睨みあうようなシーンが導入されました。それによって、夜の王とジョンの一騎打ちがあるように思わされています。

しかしそれは決してGRRMが望む展開ではないでしょう。
私たちは今までドラマを通しても、英雄や勇気が戦いに勝つ要素ではないことを見てきました。
GRRMが描く戦いに勝つ要素は、無慈悲さ、裏切り、そして犠牲です。

・高巣城でのティリオンの決闘裁判。ブロンはライサ・アリンから名誉ある戦いをしなかったことを責められたが否定しなかった。しかもブロンは負けた相手は名誉ある戦いをしたと告げた。

・ロブはタイウィン・ラニスターが待ち構えている方に北部軍の小隊を送り込み、彼らの犠牲によってジェイミーを捕虜として捕らえることができた。

・ブラックウォーターの戦いでは、ティリオンの鬼火使用とタイレル家を取り込んだタイウィンの奇襲によりスタニス・バラシオンは敗北。

・北部軍の敗北(ロブをはじめ虐殺された血染めの婚儀)は、フレイ家とルース・ボルトンの裏切りによる。タイウィンはその両家を利用し、戦いに勝利。

・デナーリスは穢れなき軍団を手に入れる際、ドロゴンを与えると嘘を言い、炎によって売主の親方を殺害。

・ミーリーンを征服する際、デナーリスは奴隷に武器を与え、クーデターを起こさせた。

・オベリン・マーテルはマウンテンと決闘裁判の戦いで結局死んでしまったが、彼が戦いで使用した槍には毒が塗ってあった(それによりマウンテンも瀕死)

・黒の城の戦い(ナイツウォッチvs野人)は、野人の中にスパイとして潜り込んだジョンの情報によって、ナイツウオッチは事前に準備ができた。

・落とし子対決では作戦によって優位に立っていたラムジー・ボルトン側だったが、谷間の軍隊が奇襲したことによって敗北。

・喜びの塔のアーサー・デインは、ハウランド・リードが背中から刺したことによって死亡。

・ハイガーデンを侵攻する際、サーセイはタイレル家の旗主を取り込もうとした。ジェイミーは個別にランディル・ターリーに南部総督をチラつかせて、タイレル家を裏切らせた。


――このように、テーマは明確です。
GRRMが描いてきたのは英雄や勇気によって正々堂々と正面から戦って勝つのではなく、裏切り、嘘、犠牲によるものばかりです。


ジョンが夜の王と堂々と一騎打ちをし世界を救うという展開なら、今まで描いてきたストーリー展開に反することになります。
夜の王を倒して戦争を終わらせるというアイディアは明らかに間違っています。それは、物語のより深いテーマを理解できていない人を欺く、D&Dによる作為であることに気づいていません。

このドラマは、戦いに勝利するためにはお伽話のようなものではなく、勇気や正義感は報われないことを長年描いてきました。

では、戦争はどのように終わるだろう?

◆犠牲


真の戦いで勝つには、今までと同様に「嘘、裏切り、犠牲」が伴うことが予想されます。

ホワイトウォーカーについての情報は多くないですが、クラスターが自分の息子を「捧げもの」として犠牲にしていたため、彼の砦はホワイトウォーカーから襲われなかったということを私たちは知っています。

更に、どのようにクラスターの息子をホワイトウォーカーに変化させるか、ドラマでは具体的に描写しました。
その場面には目的があったと思います。
まず、ホワイトウォーカーをどのように作っていたか。
そして、クラスターは夜の王に子供を与えていたことにより、彼らを鎮めていたこと。

ドラマでは、ジリとリトル・サムがずっと登場しています。
これは何かしらの理由があるからでは?と想像できます。
リトル・サムが犠牲になるかどうかはわかりませんが、ストーリーラインから省かれていないことは重要なポイントだと思います。

◆約束された王子


メリサンドルは「長い夜が来て、約束された王子だけが夜明けをもたらすことができる」と告げていました。
その「約束された王子」は誰か?ということで、多くの人はそれがジョンやデナーリスであり、二人が救い主である結論に飛びついています。
しかし、救い主は”子供”である可能性を逃しています。

その子供はジョンとデナーリスの間の子。
つまり「死者(亡者)と生者の子」です。


もしも、妊娠中のデナーリスの死がホワイトウォーカーに影響を与えるとしたらどうでしょう?
最初に書いたように「ゲーム・オブ・スローンズ」のあらゆる戦いは、正義感と勇気では勝利しません。犠牲、嘘、裏切りによって勝ってきた戦いばかりです。

◆デナーリスの犠牲は必要か


彼女は奴隷を解放し救世主であるような行動をしてきました。
性格に於いて衝動的になることはあっても、多くの人々を守る女王として既に頂点に達している側面があります。

デナーリスは多くの人々を救うため女王になることを目指していたのであり、彼女自身の犠牲によって人々が救われるのであれば、真の女王となるでしょう。
長き夜を終わらせ、誰にとっても理想的な女王となります。


以上
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私見


私の意見はまったく同じではないですが、似たようなポイントを過去記事に書きました(ちょっと予想が飛躍してるんですが・・・)
・「もしかするとリトル・サムは重要なキャラかも??
・「デナーリスの死を予想してみた

D&Dが「真の戦い」を夜の王との戦いを指しているのか、それともサーセイとの戦いを指しているのかはわかりませんが、最終決戦の相手は死の軍団ではないだろうと思っています。

◆死の軍団との戦いは無駄かも


第四章「黒の城の戦い」の後、マンス・レーダーと交渉するために出向いたジョンは、黒の城を攻撃する目的を聞きましたね。

壁の北側は生きる者がいられる場所ではない。
そのために壁越えさせたいけれど、ナイツウォッチがそれを許さない。
ならば、ナイツウォッチに戦いを挑み、自分たちの手でトンネルの扉を開けるしかないと。

その目的を知ったジョンは野人であっても生きる人間であり、敵ではないということで、野人たちを壁越えさせました。
結局、黒の城での戦いは無駄だった。
イグリットやグレン、ピップらは死ぬ必要などなかった。

夜の王との戦いも同様かもしれません。
「彼らの目的は何か?」を知るかどうかでしょう。

もしも、死の軍団が大量にある鬼火を始末するために動き出したなら?
鬼火は大量破壊兵器です。
人間、環境、そして土地すら破壊しかねない脅威です。

◆夜の王にはちゃんとした計画がある


ジョンは夜の王から敵認定されていないかもしれない。
だからジョンは堅牢な家でサクッと殺されることはなかった。
生かして黒の城へ戻す必要があることを夜の王は知っていたと思います。

戻ったジョンは仲間から刺されて死んでしまいましたが蘇った。
それによって、ナイツウォッチの誓約から解放され、北の王となりデナーリスに会うことができた~という流れ。
夜の王はそうなることを予め知っていたし、その流れが必要であったということです。

今後も色んな予測が登場すると思いますが、第八章まで時間は長いですので、ぶっ飛びな憶測も楽しんじゃいましょう(苦笑)







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