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「光の王」は終末を目指している@ゲーム・オブ・スローンズ

第七章のネタバレを含んでいます。未見の方は注意。


過去シーズンに於いて、「光の王」は重要な位置づけとして描かれてきました。
「光の王は闇から人類を救う唯一の神」と、メリサンドルをはじめとする「光の王」の信者たちは口を揃えて語っています。

これは私も感じていたんですが、「光の王は人類を救う神ではないのかも」という風に疑問視し、「戦争の神ではないか?」という意見が言われ出しています。
それで色々と調べていくうち、もしかしたらドラマの最終展開は「こうなるのかな?」というところに行き着きました。

興味があったらお読み下さい。長文になります。



「光の王」は夜の王を援助している


「光の王」は炎の中に現れるヴィジョンに基づいており、それは夜の王を倒し、人類を死の軍団から救う神であると思わされてきました。
しかし、これが根本的に間違っていたら?
「光の王」が夜の王と連携していたなら?

ファンの中には「光の王は確かにベリックやジョンを蘇らせたが、人類を救ってはおらず、むしろ戦争を仕掛けたり、”闇に仕える者”と決めつけ死なせてる方が多い」と指摘する人がいます。
そして、神の名の下に戦った者たちに敗北をもたらせたばかりではなく、むしろ夜の王を助けていたと説明しています。

「光の王」がデナーリス側にあり、彼女を「約束された王女」としているなら、なぜドラゴンを夜の王に手渡すことを可能にしたのでしょう?

「光の王」は一族滅亡に導いた


メリサンドルが産んだ影のスタニスは弟レンリーを殺害。
魔法の力でスタニスは自分の軍隊とレンリーの軍隊を統合し、ブラックウォーターの戦いで多くの犠牲者を出し、ラニスター軍に敗北。

その後、メリサンドルは「真の戦いは北にある」と語り、北へ向かったスタニスたちは多くの野人を犠牲にしました(野人を敵だと思い込んでいた)
スタニスが勝利に酔いしれたのは、まったく見当違いな野人を敵とみなし奇襲した時だけ。その時に死んだ野人たちは、死の軍団に加わっているでしょう。

シリーンの命まで捧げメリサンドルに従ってきたスタニス。
「光の王」は雪を融かしました。
それは、スタニスを前に進めさせるためにもなりましたが、ボルトンにとっても恩恵であったということです。
雪が融けたお陰でボルトン軍はウィンターフェルから出撃可能な状況となり、包囲戦を狙っていたスタニスの作戦は崩れたのです。

結局メリサンドルはスタニスを鉄の玉座に少しも近づけることはなく、バラシオン家を死滅させてしまいました。
スタニスはメリサンドルの言葉に耳を傾け、無意味な戦いを選択し続けてきました。



「光の王」の目的は?


中には「光の王」と「夜の王」は表裏一体であるという意見がありますが、「光の王」は純粋な”善”ではないという意見が多いですね。
「炎は燃え広がっていく以外には目的は持っていない。火災がなぜ恐ろしいのかは誰もが知っている」と炎が破壊に結びつくという真理を示し、「光の王」は戦争を枯渇しており戦争を望んでいると繋げています。

ですから戦争や破壊を望む「光の王」は、人間が死の軍団と戦わねばならない舞台設定を整えている状況は納得できるということです。

光の王と夜の王は目的が一致している。
その目的とは、
今いる人類を滅亡させ、灰から再び始める」ということです。

メリサンドルをはじめとする「光の王」の信者たちの根本的な過ちは、氷や闇を純粋な”悪”と捉えていることです。
光だけが救い主であると信じ切っています。

仮にそうであるなら、なぜハウンドに炎の中でイーストウォッチを見せ、ミアのソロスの命が奪われる状況に導いたのでしょう?
ジョンを蘇らせたことで、彼がデナーリスと出会い、お互いが惹かれ合うという状況に繋がった。それによって夜の王はドラゴンを得ることができました。

「光の王」が戦争を望んでいるなら、相手にもドラゴンを渡して同等の武装をさせることは納得できるのではないでしょうか。

「氷と炎の歌」とは終末のこと


要はキリスト教などで言う「黙示録」と同じで、それを詩的に表現したのが「氷と炎の歌」ではないか?と語る人もいますね。

レイガー・ターガリエンとリアナ・スタークは二人の関係が歪曲され、「ロバートの反乱」のキッカケになった。
その紛争時の炎は消えたかのように思えましたが、炎は小さくくすぶり続け、再び一気に炎が吹き出したとも言えます。
ドラゴンの誕生がその瞬間だったのでは?

ジョンは氷と炎です。
彼の運命というのは、アリザー・ソーンが最期に告げた「私は死によって安息を得るが、お前は戦い続けねばならない」という言葉通りで、アリザーは真理を語りました。

ジョン自身は決して自ら戦いを望んではいないでしょうが、戦い続けることが彼の運命として既に決まっていたとしたら?

「光の王」のモデルとなった宗教がある


「光の王は”ゾロアスター教”からインスピレーションを与えられた」と、原作者のGRRMは語っていたそうです。

ゾロアスター教は二元論に基づいていて、善悪、光と闇などの対極的な事柄が宇宙に存在し、人間はそのどちらかを選択する自由が与えられている。
そして、各々が選択したことが人生の運命はもちろん、死後にまで影響与えていると考えられているそうです。

メリサンドルが「選択しなければならない」と、光と闇のどちらを選ぶか口にしていたのは、その宗教がモデルだからでしょうね。

ゾロアスター教の世界の終末は、終末というよりは更新というべきものになっている。
この更新は、三番目の救世主サオシュヤントが登場したときに行われる。
救世主サオシュヤントは、まず始めに死者たちを復活させ、すべての人間を最後の審判の場に集める。ここで、すべての人間の善悪が裁かれる。
引用元:フランボワイヤン・ワールド

引用した文の通りゾロアスター教には「終末」という観念があり、宇宙の始まりから終わりまでのサイクルが1万2千年だといわれてます。
で、”悪”の象徴「アンラ・マンユ」が6000~9000年に世界へ侵攻し、そこから世界は善悪の闘争の場になったと(GOTに於いてはアンダル人?)
1万2千年で最後の審判があり、善と悪が完全に分離される(生者・死者問わず)
善に分けられた者は、新世界で救世主によって永遠の命が与えられる・・・だそうです。
更に注目すべき点が、ゾロアスター教では親近者との交わりを最大の善徳としていたことです。

しかし善も悪も曖昧であると考えているGRRMからすると、ゾロアスター教の宗教観は彼の主義から外れていると思うんですが・・・。
それでもやはり、世界の終末に向かっているということなんでしょうかね?
ゾロアスター教に登場する救世主は、悪が支配する古い世界を終えさせる者としてます。

総括すると…

光の王も夜の王も目的は同じであり、今ある人間社会を打ち砕くこと。
権力の象徴である鉄の玉座には、二度と誰かが座ることはない。

そして上記の引用を読む限り、救世主は戦乱の世をリセットさせる役割を担った夜の王かもしれませんよ。
もしもそうなら、あっと驚くどんでん返しになりますね。
ブランも終末に導く役目があるのだと思います。
夜の王から印をつけられたことが重要なポイントです。


リセットした世。灰の中から木々や草花が芽吹き、森の子らが再び蘇る・・・というエンディングだとしたら?

スペイン映画「パンズ・ラビリンス」みたいになるのかなぁ~??
その映画はスペインの内戦が舞台で、反戦のメッセージが込められていましたけど、エンディングでかなり心が揺さぶられた映画でした。






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